*20000打企画:恋の∞勝負のような変態赤司→→→→→→黒子の報われないギャグ赤黒ちゃん[Feliceさま]









   どうしようどうしようどうしよう。テツヤが可愛過ぎて生きるのが最高潮に楽しい。僕のつまらなすぎる人生は、テツヤとの運命の出逢いを起点にして変わり始め、今なおキラキラキラメキ続けている。『僕の命なんて、いつ終わっても、いいな』幼い頃から生に対して無頓着な冷め切った人間だったのに。現在の僕はテツヤの口から「赤司くん……そんなに人間を辞めたいのならば、真っ当に生まれ変わる為、そろそろご臨終したらどうですか?」と菩薩のような笑顔で親切に勧められても「すまないテツヤ……僕を心配する気持ちはとっても有難いのだけれど……愛するテツヤと添い遂げるまではっ、死ねないっっっ!!!」と強い生存願望を持っている。僕の生命の源ともいえるテツヤのことを想うだけで、動悸・息切れ・鼻血が止まらない(ちなみに、白い鼻栓は常備している)朝目覚めた時に、一番に思い浮かぶ、テツヤのジトリと軽蔑し切った美しい瞳。ご飯を食べている時に、ふと思い出す、テツヤのピクピク引き攣った可愛らしい口元。眠りにつく前に、ズキズキ痛み出す、テツヤの今日の渾身の一撃。毎日が黒子テツヤ一色。ああっ、なんて素晴らしい、僕の空色の人生っ!!! ここに、宣言しよう。僕はテツヤの為なら一思いに死ねる。僕はテツヤの為なら必死に生きられる。そう、僕を生かすのも殺すのも、テツヤという世界で一番大切な存在にかかっているんだ。クルクルクルクル、ラブラブラブラブ、黒子テツヤを中心に回る赤司征十郎の世界。テツヤへの愛を胸に僕は今日も熱く激しく生きている。迂闊に触れたら火傷が出来てしまいそうな程、燃えたぎる灼熱の情。愛しいあの子へ僕の想いを、ありのまま全力で伝えたい。この僕自ら歩み寄るのは、黒子テツヤだけ。そうでもしないと、照れ屋で天邪鬼で影の子は中々素直になれない。だから、恥ずかしくてひた隠しにしている初々しい想いを、僕が直々に掬い取ってあげているんだ。僕をチラチラドキドキキュンキュン気になっているくせに、ツンツンビシビシバキバキするテツヤ。この子をどうにか手懐けようと奮闘する僕の姿を見た者は、皆一様に恐れおののき自身の視力を疑っているらしいが……。例えば、僕を神格化している信者なる者達は「私たちの神が……赤司様が、狂ってしまわれたっ……!!」と嘆き悲しみ、同じバスケ部のカラフルな連中は「ヒッ!?……う、うわぁ……赤司っち、きょ、今日も通常運転で黒子っち狂の極みっスね……ハハッ……」「……赤司……お前、一度、病院へ……ぁ、いや、何でもないのだよ……これもきっと、神が与えた絶望の天命……人間風情が抗えるはずもない……」「……赤司ィ……お前、変わったよな。あぁ、変わったよ……クソッ……俺のテツが犠牲になっちまった……すまねぇ、テツ……俺はお前みたいに強くねぇ……頑張れとしか言えねぇよ……」と、どこか一線を引いているようだが。ただ、「赤ち〜ん、いつになったら俺のきょうだい出来んのぉ?早く黒ちんと子作りしてよぉ〜。出来れば俺、母さん似のかわいい妹が欲しいっ!」世界で2番目に超可愛い我が息子・紫原敦を除いて。僕とテツヤが自分の両親だと信じて疑わない純真無垢な愛息子の為にも、早く既成事実を作らねば。躍起になって求愛する僕の姿は皆の目には大層滑稽かつ無様に映るだろう。しかし、爺やの話によれば、僕の父親は息子の変貌に驚きながらも大変喜んでいるらしい。何故なら、自分の躾のせいで、僕の心が死んでしまったと、とても悔やんでいたからだ。物心ついた時から、赤司家の名に恥じぬよう、徹底教育を施された結果は、非の打ち所がない冷血人形。完璧高性能ロボットには、このひどくやさしすぎる世界がひどくつまらなかった。何でも出来て、何でも知っていて、何でも何でもないように生きてきてしまった、可愛げのない子ども。天才児と持て囃される裏側で、異端児と疎まれていた幼少期。いくつも仮面を被れる人間を嫌いになり、遂には無関心となってしまった。人間の裏表を、物事の善悪を、瞬時に見抜いてしまう、この正しすぎる瞳は、良くも悪くも僕を孤立化させていく。この汚い世界には、自分しか信じられるものがない。ならば、自分の力だけを信じて、自分の力だけで進んでいけばいい。そう、誰にも何にも心揺さぶられる事なく、僕ひとり、頂点へ君臨しておけば、それで、

『赤司くんって……いつもひとりで虚勢をはって生きて……でも、本当はさみしそうですよね……僕で良ければ、たまに、そばに、いましょうか?』

いい訳がなかった。そうだよ、さみしかったよ。人外と決めつけられた僕の心を、誰も解ろうとなんてしなかったのだから。ピラミッドの頂には僕しかいない。見晴らしが良すぎるこの世界は、やけに空っぽに見えた。全てを掴んでいるようで、本当に大事なものを掴み損ねているかのような、口惜しい空虚感。それに気付いてくれたのは、黒子テツヤただひとり。蔑みも同情も何も混ざらない、彼の心そのままの言葉。フワリ、トクン、ポトリ。ただの純粋な優しさに心を包まれた瞬間、僕は“恋”なるものに落ち、今では“愛”なるものに満ち溢れている。キセキの面々には暴走し過ぎだ荒ぶり過ぎだと諌められるけれども、どうすればこの恋愛脳を止められるのか、いや、もうどうにも止まらない。人間味に欠ける冷血漢だった、テツヤを好きになる前の自分に戻れるはずもない。僕の心のブレーキなんて、既にぶっ壊れてしまった。原因は、ツンツンツンツン(デレ)テツヤの愛くるしさ故。よし、こうなったら、愛のままにアクセルを踏み倒すしかない。そう、今日もアクセル全開・僕の嫁であるテツヤへ極上の愛を捧げて、永遠の愛を結ぶんだ!!!



「赤司くん……いえ、赤司征十郎さん……よっぽど僕に嫌われたいみたいですね……この変態ストーカー勘違い野郎」

   あれっ? テツヤ、どうしてそんな怒り狂った般若のようなカオをしているんだい??? もしかして四六時中カメラをまわしてテツヤメモリアルの製作に励んでいたのがいけなかったのかい? それともテツヤの一部が欲しくて落ちた髪の毛やタオルに吸い込まれた汗や口をつけたボトルについた唾液などをすかさず採取してコレクションにしていたのがいけなかったのかい? それともそれとも……、それよりも征十郎さんって初めて呼ばれた、嫁が可愛過ぎて辛い……、

「……どうして、そんなに頭がいいのにど阿呆なんですか……一度でも優しさを見せてしまった僕が浅はかでしたよ……本当に」

あああああ、テツヤがブルブル震えて顔を真っ赤にして怒り心頭。どどどどど、どうしよう、こんなに怒ったテツヤ、初めて見た。どうしてそんなに激おこ……、

「まず……そもそも何を勝手に僕の家に棲み着いているんですか? 何時の間にか部屋を綺麗に片付けて美味しい料理を作って丁度良い温度のお風呂を沸かして難しい宿題をさらりと終わらせてバニラシェイクが絶妙のタイミングで補給されていて……それだけで済めば僕は嫌々ながらも感謝していました……が、キミは膨れ上がる煩悩を抑えきれず、僕の脱ぎたての下着を懐にしまってハアハアしながら新品と取り替えたり、自然と抱きつかれることを画策し僕のお気に入りの抱き枕の綿を抜いて自分が入って不自然な抱き枕になったり、朝は目覚めの悪すぎる窒息寸前キスをぶちかましてきたり……君は座敷童ならぬ座敷赤司ですか……ちょっと良いことをしたり物凄く悪いことをしたり……いや、ほぼ傍迷惑ストーカー行為ですね。キミが我が家にやって来てからここ数日間は対応にあたるのが面倒でスルーに徹して大目に見ていましたが……大馬鹿者のキミは僕の逆鱗に触れてしまいましたね……赤司征十郎、貴様……僕の風呂上りのバニラシェイクへ何か得体のしれないモノを盛りましたね……?甘味が微妙にいつもと違うことを、バニラシェイク通の僕が気付かない訳がないんですよ……まったく、僕の愛するバニラちゃんになんてことしやがるんですか、このスットコドッコイ。僕の至福の時を邪魔し不幸を招いたその罪……無駄にしぶとい命と引き換えに償ってもらいますよ……?」
「え、テツ、ヤ、ちょっ、ぁ」

   ニッコリ女神の微笑を浮かべる、バニラシェイク中毒・テツヤプンプン丸の手によって、僕は窮(9)する間もなく6分の5殺しにされたのだった……クロコスペシャル初体験、これはこれで僕にとっては幸せのひとときである。



未来の鬼嫁、熱烈ストーカー旦那へ鉄槌制裁!!



   黒子家に響き渡った断末魔、動かなくなった犯人の衣服からコロリという音と共に出てきたのは、小さな小瓶、

“激愛・ホレボレ惚れ薬”

それは、愛する人の心を掴もうと必死になり過ぎて道を踏み外した、お馬鹿な恋愛初心者の可愛らしい薬物犯罪だった。

「……バカですね……黙って僕をそばにおかせてくれれば、それで良かったのに……わからず屋赤司くんの、バーカ」

   サラリサラリ、ぶっきらぼうながらも優しげに赤い髪を撫でる音だけが聴こえる、静かな夜。

   そんな日も、いつか鴛鴦のように寄り添うふたりの、想い出の1ページになるのかもしれない。












「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -