*【王の策略、甘やかなり】のつづきのおはなし
※軽微な性描写に注意












その花は、枯れる暇が無い


いつでも、どこでも、愛したがる王様のモノになってしまった僕の日常は、生と死を綱渡りしている

「…テツヤ、ちょっとおいで」
「……いや、と言っ、」
「たら、無理やりここでみんなに見せつけるように可愛がってあげ、」
「今すぐ、行きます」
「…あぁそう、残念だなぁ…」

肩を竦めながらそう呟き、ゆったりと微笑みながら僕を待つ赤司くんには、逆らえない

もし逆らったら、もっともっと恥ずかしい程に甘いお仕置きをされると、身にしみて解っているから、逆らわない

初めて彼と結ばれたあの日の夜、このまま蜜漬けになって死んじゃうのかもしれない、そう真っ白になっていく頭の片隅でおかしな事を恐れていた

赤司くんの傍にいると、僕だけに与える甘い甘い毒に惑わされて、まんまと彼の手の中へ堕とされてしまう

色を無くした僕は自分が自分でなくなるように、彼の血潮のような赤によって激しく色付けられ、カラダもココロも熱くて熱くてたまらない

何度も僕を沸騰させた彼の燃えたぎる愛撫は、僕の全てを支配する為の儀式

それは、

「…っ、ぁ…ん、……ぁ、かし、…く…、」
「…ふ、……テツヤ、…そんな声出したら、…最後まで、したくなっちゃうだろう?」
「…やっ、ダメ…、ここ、では、……は…ずか、…し……やめて、」
「…わざと、か?…テツヤは、僕を、煽るのが、上手いな……、」
「ちがっ、…あっ、…やっ、……あぁんっ…!!…だめぇ…!あかし、く、んっ、……ぼく、…あんっ!」
「…はっ、…ははっ、…なんだい、テツ、ヤ……そのカオ、いいね…もっと、…激しく、したくなる…」
「やだ、やだ…もう、…ぼく……ぁ、ああああっ…はっ、ぁ……、おかしく、なる…、」
「…いいよ、……もっと、…もっと…おかしくなれば、…いいっ……んっ、…ぼくに、…もっと、もっと、もっと、……あっ、…ん、……溺れれば、いいんだ…」

僕を溺死させる毒蜜の深海

死にそうな程に甘やかで危うい、王様の蜜責めに、僕は為す術もなく

物腰は柔らかいのに眼光は鋏の如き鋭さ、僕を貫殺する気で溢れている

何度も何度もカラダの奥を刺し殺されたって、何度も何度も臨死体験をしたって、どうにか生きているから、人間は不思議だ

王様直々に殺され生かされる僕は、幸か不幸かは、まだよく解らない

痛くて、苦しくて、辛い、辱めを受ける、この拷問のような時間

それでも、

「…あぁ、綺麗だな……僕が咲かせた、赤い花は……テツヤの白雪の肌に、よく映える……好きだ、…大好きだ…愛してる…」

僕を心底愛してくれている、王様の想いが死ぬ程伝わるから、きっと、幸せなのでしょうね

「……あか、しく…、…もっと、…さか、せて……」

何度も蘇生する赤い花は、君だけが咲かせられる僕への愛のシルシ



王が愛する君よ

永遠に美しく

咲き誇れ











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