*20000打企画:黒子アタックにより赤司が不遜魔王様からヘタレダメ人間になっちゃう情けない赤黒ちゃん[瀬摩蒼菜さまへ]












日常的に、赤い王様は、赤っ恥な王座取られゲーム








あー、おなかへったぁ。食べても食べても胃がスカスカだよぉ〜。まいう棒100本食べたいなぁ〜(ボリボリムシャムシャ…)


「…敦、それ以上食べたら腹を壊すだろ。いい加減にしなさい。」


あーあー、怒られちった。俺の第二の父さんである赤ちん。大好きなんだけどなんだかんだいつも口うるさくて厳しい頑固親父な所が玉に瑕。みんなは俺を甘やかしているって言うけれど、そんな事はないんだよぉ…ダメなことはダメってキッチリ注意してくるし、守るのがダルくてちょっぴり破るとキレイな笑顔の魔王パパが鋏を持ってやって来るから怖いよぉ〜。そう、赤ちんは基本的に厳しくて怖いんだ。威圧感も邪悪感もハンパないし〜。いつものようにふたりで、学校の廊下を歩けば、


「この愚民共め…頭が高い、控えろっ…!!」


わ〜〜、悲鳴をあげながら沢山の人がひれ伏してくよ〜。モタついたヤツは華麗に蹴り飛ばす、赤ちんマジ暴君。まさに、王様・殿様・魔王様。誰も赤ちんに立てつけないもんなぁ。黄瀬ちんなんて乞食犬扱いだし。峰ちんなんて奴隷ザリガニ扱いだし。ミドチンなんて下僕メガネ扱いだし。俺はみんなに比べたらそれなりに優遇されてはいるけれど、きっと俺が赤ちんに従順で逆らわないって見抜かれているからだ。みんな、ちょっとでも赤ちんの言うことをきかなかったから、ズタボロフルボッコの刑にされちゃうもんね。“赤司征十郎の法律(ルール)”に反してしまったら、残酷な赤ちんの手によって裁かれてしまうんだ。この前も黄瀬ちんがそれを守らなかったせいで…赤ちんの愛馬(オヤコロ号)へ荒縄で足首を繋がれて校庭を引きずり回されるバツを受けたしね〜。あれは全校生徒に対するミセシメなんだって、青ざめたミドチンがガクブルバイブモードになってコッソリ教えてくれたんだぁ。砂埃だらけになって血を吐いた黄瀬ちんのダイイングメッセージは、『くろこっち あいし…』で終わって、真顔の赤ちんが黄瀬ちんの手を踏みつけちゃった。あー…黄瀬ちん、想いを伝えられずに、ハンパに死んで、かわいそ〜。って、思ったけど、俺は赤ちんの息子だしぃ〜助ける気はサラサラないんだよねぇ〜。アホな峰ちんが無意識にルールを破りまくった時も、ひどかったなぁ〜。赤ちんの愛馬から出た焦げ茶の物体を顔面にお見舞いされていたから、丁度チョコを食べていた俺はそれを目撃して思わず噴いちゃったよぉ!『この変態ガングロ、馬糞と同化しろ』目の据わった赤ちんが峰ちんの頭を足蹴にしてグリグリと大量のバフンへ顔を押し付けていた拷問は全校生徒に身の毛のよだつ衝撃を与えたって、ミドチンがまたまたバイブモード全開で教えてくれた。そんなミドチンも間違って赤ちんを怒らせてしまった事がある。あれは、どうみても、黄瀬ちんと峰ちんのケンカに巻き込まれたせいなんだけどぉ…結果的に、赤ちんの逆鱗に触れちゃたみたい。不憫なミドチン…大した事をしでかしてないのに、オヤコロ号のエサになって緑色の髪をムシられむしゃぶりつかれてヨダレでベタベタになってメンタル撃沈。いちおー、バスケの仲間で、仲が良い俺たちにも、赤ちんは容赦ないんだよねぇ〜。みんなを懲らしめている時は、悪どいカオで高笑いしてるし。誰かが『あのお方は美しい人間の皮を被った非情な鬼悪魔だ』って言ってた。血も涙もない最強の第六天魔王。みんなに対して殺りたい放題な赤ちん。いくら勉強も運動も何でもかんでも出来る天才完璧人間だからって、怨まれない訳がないよねぇ。だから、いつもそばにいる俺へ、みんなが恐る恐る訊いてくる質問がある。


“赤司征十郎の弱点は何だ?”


えぇっ?そんなの、イチモクリョーゼンじゃあん!

ほら、今日も密かにソッと、やって来る

スススススス…、ガバアッ!!ドサッ!!


「いっ!?!?…た、…はっ…!…この感触、…この香りは…、」


空色透明少年の愛のタックル


「…はわわっ$☆@♂♯〒★?!?…てちゅ、…はっ、…テツヤ??!!」


赤ちんの唯一の弱点・黒ちんは、毎日猛烈アタックを欠かさない、赤ちん大好きっ子


「ちょっ、ちょっ、な、なにするんだ!?やめなさいっ!!」


無言で背後からタックルして廊下へ押し倒した後、咄嗟に振り向いた赤ちんへ馬乗りになった黒ちん。すぐに赤ちんの胸へしがみついて顔を密着、鼻をクンクンさせながらスリスリスリスリしている…周りにポワポワ花を飛ばして幸せそうだなぁ…てか赤ちん羨ましい、黒ちん可愛い。


「あっ、…乳首がっ…こすれ…こ、こらぁっ、…テツヤ…ダメっ、こんなとこで…は、はしたないっ…!」


…赤ちん、どの口が言ってるの?めっちゃ嬉しそうに黒ちんのアプローチをピクピク感じてるくせに。多分、どうしようもなくムラムラしてきてジセーシンが追いつかなくなってきたから、黒ちんの煩悩刺激行動を止めようとしてるのかなぁ?


「…うっ、…も、う…テツヤッ、やめないと、さすがの僕だって……お、お前にっ、プンスカプンしちゃうぞっ!?」


…赤ちん、プンスカプンって、怒るよ、って意味でおっけ〜?弱腰過ぎるお叱りの言葉だなぁ…そんなんじゃあ、黒ちんの暴走なんて止められるはずがないのにね。それに、黒ちんのラブラブ攻撃がこんなもので終わるはずがないよ〜、


「…あかしくん、あかしくん、…あかしくんのかおり、ぼく、だいすきです…こんなにいい香りのするあかしくんって、どんな味がするのでしょうね?」

「は……?…テツヤ、…なにを、……っ!?!?」


ペロリ、赤ちんの首筋を赤い舌で舐める黒ちんは、妖艶なネコみたいだった…あ、赤ちんが、ピキーンと、固まっちゃった!


「………ぐっ、…ぬ…ぅっ、…ん、……ダメだ負けるな征十郎……」

「あかしくんって、…ふしぎですね……バニラシェイクより…あまくておいしいなんて、ぼく、もっと、あかしくんの虜になりそうです…」


黒ちんの本能逆撫でペロリ攻撃…赤ちん、見事に翻弄されているなぁ。てかさぁ〜もう、我慢しないで、ヤっちゃえばいいのにぃ〜。どう見ても両想いじゃん、合意の上じゃん。それでも、やっぱり、赤ちんは純粋に黒ちんを想っているから、勢い任せに手を出したくなくて…どうにかギリギリ我慢して踏ん張っているみたい。だけれど、味をしめた黒ちんはまたまた赤ちんをペロペロと舐め始めた…子猫みたい、かぁわぁいぃなぁ…あっ、赤ちん、みるみる内に顔面崩壊しかけてる…鼻の下が間抜けに伸びちゃったら、せっかくの美少年も台無しだよねぇ〜。このままじゃ鼻血が出るのも時間の問題かなぁ…、


「ぐぅっ……だぁっ!!…テツヤァッ!!僕はお前のエサじゃないんだっ!勝手に香りを嗅いだり舐めたりするな…!!」

「…あかしくん、……」

「くそっ…そんな目でみつめるな……僕を惑わそうたって…これ以上惑いようがないんだからな……最終忠告だ…僕に、気安く触れるんじゃない…心臓がもたないからもう止めろ……さもないと…て、テツコロしちゃうぞ…?」


そろそろ我慢の限界がきたのか、どうにか黒ちんを引っぺがして、しどろもどろに暴君らしきセリフを吐き出したけれど…尋常でない程真っ赤っかな顔、本能と理性の熾烈な戦いで複雑な動きをするグニャグニャ眉毛、過剰なスキンシップによって乱れたハアハア吐息……黒ちん攻めに敗北している事実は誤魔化しようがないよ。それに、そんなヘニョヘニョの牽制球が、最強子猫・黒ちんへ、


「……テツコロ、…僕を殺すんですか……?」

「…そ、…ぅ、…そうだ……いくら、…とてつもなく愛らしいテツヤでも、…僕に逆らうなら、…こ、殺しちゃうぞ…?」

「…それじゃあ、……僕の純潔諸共、殺してくれませんか…?」

「ふぇっ?…ぅえっ?…て、テツヤ…なに、いって…」

「ぼく、…はじめては、だいすきなあかしくんって、きめているんです…」

「なっ、…そそそそそんなの、…ぼ、ぼ、ぼくのしったこっちゃ、」

「ダメですか?…あかしくん、ぼく、きみと、ココロもカラダも繋がりたいんです」


ギュウッ…、


「……!!!……て、てちゅや……」



通用するはずがない、逆手に取られちゃう。ウルウルの瞳で必死にお願いしながら縋るように抱き着いた黒ちんの壮絶な可愛さに、ワタワタどっちつかずな手はもう抱き締め返してしまいたい感じだねぇ…。赤ちんたら、ハッキリ男らしく想いを認めればいいのになぁ。初めての恋に戸惑ってヘタレダメ野郎の名を欲しいままにしている赤ちん。そのくせ、独占欲は尋常じゃない程強くて…黄瀬ちんがストーカー紛いに黒ちんをコッソリ隠し撮りしてその写真をオカズにしたり、峰ちんが黒ちんへナチュラルにセクハラしまくったり、ミドチンが黄瀬ちんと峰ちんの喧嘩を止められずに吹っ飛ばされて黒ちんへ間違って抱き付いてしまったり…少しでも黒ちんにアクションを起こせば赤ちんは怒り狂って刑罰を与えちゃう。《黒子テツヤは赤司征十郎のもの》と“赤司征十郎の法律”の第一条に記されているからだ。誰にも触れて欲しくない。そんなにも、黒ちんのこと好きなくせに、黒ちんのアタックが嬉しいくせに、黒ちんと本当は今すぐ繋がりたいくせに、


「……む、ムリだ……そんな大事な契りを……ぼくたちには、まだ……はや、い……ちゃんと、段階を踏んでから……(もごもご)…」


何へこたれてんのぉ?!赤ちんの意気地なしぃっ!!据え膳食わぬは男の恥でしょっ?!?!


「……そうですか…残念ですね……そんなに、ぼくのこと、食わず嫌いなんですね……、」


あー、黒ちん、シュンとしちゃって、かわいそう。赤ちんが女々しいばっかりに、捨てられた子猫みたいなカオしてる。もうっ、赤ちんが食べないなら、俺がたらふく食べちゃうぞぉ!!


「…ぁ、…て、テツヤ……ち、ちがうんだ……おまえを、きらい…なんかじゃ、なくて……む、むしろ……、すっ、(ごにょごにょ)…」


あーもー、赤ちん、ハッキリ告っちゃえよっ!!!ヘタレチキング・バカちん!!!ごにょごにょ口ごもってんなよぉ〜…そんなんだから、


「ねぇ、あかしくん…ぼくのこと、…味見してみませんか…?」

「は、はひ?」


チュッ、


「………え、……」

「あかしくんのくちびる、やわらかいですね……」

「……、ぁ……ま、……えっ?」

「…どうですか、美味しいでしょう…?…ぼくのくちびる」


黒ちんに主導権を握られて、チューされちゃうんだよ、ダメダメ赤ちん


「………………、」(ギュン)

「…あの、あかしくん、…アレがあたっていますよ…いま、いっきに、勃ちましたね…だいじょうぶですか?」

「……へ、……え、……あっ、…」

「ぼくに発情したんですよね?光栄です…さぁ、思う存分いただいてください、ぼくのすべてを。」

「………………」


ポタッ…ポタポタ……、


「……あかし、くん…あの、…鼻血が…でてますよ…?」

「…うわぁあぁぁああっ…!!!僕に近付くなぁあテツヤぁああっ!!!このままじゃ純粋無垢なお前を孕ませてしまうぅぅうっ…!!!まだ結婚してないのにそんなの不純だぁあぁあぁーーーー!!!!!」


ドンッ!ダダダダダッ…!!


「いたっ、…あっ、…あかしくん………いっちゃいました…どんどん孕ませてくれて、かまわないんですけどね、ぼくは。」


あらら、ウブな赤ちん、チューごときで大興奮鼻血ブー。王子様の剣は準備万端だったのに、王様の心の準備は全然出来てなかったみたいだねぇ〜。錯乱状態、物凄い勢いで逃げ出した赤ちんの情けなさといったら…偶然、その現場を見ていたキセキの面々が腹がよじれるまで笑い転げてしまう程だったんだ。日頃の恨み辛みからか、みんなの顔面には“ざまあみろ”という仕返しの言葉。まぁ、俺の場合は、“どんまい”という慰めの言葉しか出ないけれど。惚れた弱み、黒ちんが好き過ぎて、最弱の王様になってしまう赤ちんは先行き不安だなぁ。だって、このままじゃ、



「今回は大目に見てあげます……でも、あかしくん、……次こそは、逃がしませんよ…覚悟しててくださいね…?」



赤ちん…黒ちんに、寝首をかかれて殺されちゃうねぇ〜







暗殺者に首ったけ
王様の威厳
何処いった???








「……ハァ…ハア………、ど、どうしよう…………ちゅ、…チューしちゃった!…テツヤと、チューしちゃったよおぉおぉおっ…!!明日からどんな顔して会えばいいんだぁっ…!?嬉し恥ずかしいぃぃぃっ……!!!」


人気の少ない廊下の隅っこ、真っ赤な顔を覆いながら、しゃがみこんで悶え苦しむ赤ちんの姿は、もはや初恋に思い悩む乙女のようだったらしい……。












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