*【色違いの指先】のミートさまへの相互記念作品:お部屋でまったりのんびりイチャつく赤黒ちゃん
“馬に蹴られて死んでもいいなら、どうぞ心してご覧あれ”
どしたの、黄瀬ちん、せっかくの休みの日に呼び出して……何このロケバスみたいなの。
もうっ! 紫原っち、遅いっすよ!! 今日は俺らにとって決戦の日なんスからっ!!!
え〜……今日、何かあったっけぇ??
だから、何度も言ったじゃないスか!今日は……うっ、うっ、うっ…赤司っちと黒子っちのお家デートの日だって!!
あ〜……そーいえば、そーだねぇ(ボリボリボリボリ)
呑気にまいう棒食べてる場合じゃないっスよおおおおっ……!!このままじゃ、俺の最愛の天使・黒子っちが、恐怖の大魔王・赤司っちに……た、食べられちゃううううっ!!!
ふぅ〜ん……まぁ、仕方ないんじゃない?ふたり、付き合ってるし、ラブラブだし、赤黒夫婦とか言われてんじゃん。
お、お、俺は断じて認めてないっスよっ!! ふたりが夫婦だなんて……本当の夫婦は黄黒夫婦っス!!!
えぇ〜! やだぁ!! 黄瀬ちんが俺の再婚した義理の父さんとかマジ無理。俺は赤ちんしか父さんだって認めねーし! 俺の母さんは黄瀬ちんなんかに渡さねーよ!!(ポカポカポカ)
イダッ!! イテテテテっ!! 痛いっス!! 殴らないで下さいっス!! 紫原っち、馬鹿力なんだからっ……音の割にめっちゃ痛いっスよっ!!
黄瀬ちんがふたりの仲、邪魔するからいけないんじゃん。俺はふたりの味方だから……、
ふーん……本当は赤司っちよりもずっと、黒子っちを好きなのに?
……黄瀬ちん、何が言いたいの? 頭ひねり潰されたくなかったら、これ以上変なこと言わないで。
変なことじゃないっスよ。ただ俺らは黒子っちのこと、だーいすきなふたりっスからねぇ……黒子っちの貞操をやすやすと赤司っちに奪われたくないじゃないっスかぁ?
……それで?
だから、俺らでふたりのお家デートを見守って、黒子っちが危なくなったら赤司っちの魔の手を退けに家の中へ突入しようと計画しているっス。あらかじめ、電気設備の点検を装って、黒子っちの家には所々隠しカメラを取り付けてもらってあるから……赤司っちの動向を監視して、黒子っちの純潔を死守するっスよ!!!
……黄瀬ちんって、マジでしつこいよね。あんな相思相愛なふたり、邪魔する気なんて普通起きないじゃん。
それだけ、俺は黒子っちを本気で愛してるっス!! 紫原っちだって、ふたりの息子っていうポジションにしがみついてまで、黒子っちの傍にいたいくせに!!
……それの、何が悪いの?俺は黄瀬ちんと違って、赤ちんだって黒ちんに負けない位大好きだしっ! ふたりとも大好きだから……潔く、身を引いたつもりだったのに、黄瀬ちんが煽るから……バカ、黄瀬ちんの大馬鹿野郎。
まぁまぁ、怒らないで下さいっス……俺と違って、ふたりは紫原っちのこと、大好きだから、邪魔しに行ってもきっと怒らないっスよ。
……うん。
あ……ほら、赤司っちが来たっスよ!!
あ、赤ちんだ……今日、なんだかいつもより、顔が緩んでいる気がする……。
……や、やっぱり……いたいけな子兎・黒子っちをウキウキルンルンで狼のごとく手篭めにしようと……くぅぅうううっ〜!! 許せないっス!! 絶対に邪魔してやるっスよ!!!(ゴォオオオオッ)
……黄瀬ちん、無駄に暑苦しい。あっ、黒ちんが迎えに出てきたぁ〜……、
きゃああああっ!!! 黒子っちぃいいいっ……!! 今日もこの世で一番可愛いっスゥッ!!! あぁもう、ペロペロしたいっ!!!
……黄瀬ちん、キモチワル。黒ちんがこの世で一番可愛いのは認めるけど、ペロペロってかモグモグするのは、俺か赤ちんだから。
ズルいッスよおおおおっ!!! 俺らは同じ釜の飯を食うべき仲間じゃないっスかあああっ!!! 色白艶やかなお米という黒子っちを紫原っちがモグモグしてもいいけど、釜にこびりついた米粒くらい俺にペロペロさせて欲しいッス!!!
ちょっと、黄瀬ちん、ウザい。あ……ふたりが何か内緒話してる……うーん、なんだろう。ふたりの声、聴こえない。あれっ、そういえば、黒ちんの父さんと母さん、カメラに映らないね……今日って黒ちんの両親、いないんじゃ……、
……な、なんという絶好初体験日和……くそぅっ、俺は命に代えても、全力で黒子っちを守るっス……!!!
……うん、そうだね。
あ……、赤司っちが、二階へ上がって行く……。
黒ちんの部屋、既に分かってる感じだよね……。
そうっスね……ぐぬぬ。
俺らが知らないだけで、何度か黒ちんの家に遊びに来てるんじゃない? そういえば、ふたりで特訓していた頃とか、一緒に帰って黒ちんの家まで赤ちんが送り届けていたらしいし……その流れで家に上がったりしていたんじゃないの?
俺なんか……黒子っちが教育係だった期間、夜道の不審者から守る為に可愛い黒子っちの護衛役を買って出たのに……結局一度も家には入れてもらえずクールに門前払いされたっス……何なんすか、この天と地の差の扱いは……。
え〜?そんなの、黒ちんが相手を好きか嫌いかじゃないの?
えっ?! じゃあ黒子っちは俺のこと嫌いなんスかっ?!?! 俺は黒子っちを大大大好きなのにっ、逆に、黒子っちは俺のこと大大大嫌いなんスかっ?!?!
ちょっ、黄瀬ちん、俺に問い詰めないでよ! 瞳孔開きまくって超怖いし鼻息荒くて超気持ち悪いから、これ以上顔を近づけんな!!
だってだってだってっ!! 紫原っちが俺をどん底の不安にさせること、言うからっ……!!
あー、ごめんねぇ、黄瀬ちん。大丈夫だよ、きっと黒ちんは黄瀬ちんを嫌いなんかじゃないってぇ〜。何だかんだ言って飼い犬に餌をくれて構ってくれるじゃん。
……そ、そうすっかねぇ……だったら、いいなぁ……(パタパタ)
(尻尾振っちゃって…駄犬、マジめんどくせぇ)あれぇ?赤ちん、一度黒ちんの部屋に荷物を置いてまた戻ってきたよ。
……黒子っち、お茶とお菓子を出す準備をしている所っスよね……あ、ショートケーキが見えるっス。
あ……赤ちん、無防備な黒ちんの背後にそぅっと近寄って……、
(ギュウゥッ!!)
抱き締めたぁあああああああっいやああああっ……!!!
わぁ〜……なんだか、新婚さんみたいだねぇ……あっ、黒ちん、びっくりしてるけど……何だか嬉しそう。
くっそぅ、赤司っちめぇええぇっ……、早く離婚させてやりたいっス……俺の黒子っちにあんな美味しいハグしやがってぇぇええっ……ズルいっス!!
……ふーん、俺の、ねぇ〜……(俺と赤ちんのモノだよ、バカ犬が)あ、赤ちん、黒ちんの肩に顔を埋めて……ん? チューしたのかな?赤ちんって黒ちんには甘えん坊なんだねぇ……かわいい〜。
あぁあぁあっ……!! 赤司っちの野郎っ、俺が密かに思い描いていた黒子っちとのイチャラブ未来予想図を勝手に盗んで実現しやがったッス!!!
わっ……黒ちん、肩にのってる赤ちんの頭にお返しのチューした……ほんとに、ラブラブなんだねぇ……やっぱり、ちょっと、妬けちゃう。
うわあああっ……俺は真っ黒焦げ妬けっスよぉおおおっ……!! もう、今すぐ俺と赤司っちを全力チェンジッ!!
……それだけは全力でやめて欲しいなぁ……あ、ふたりが黒ちんの部屋へ行くみたいだね。
くっ……、これからが正念場っス……黒子っち、俺がちゃんと見張って……颯爽と助けに行くから! 待っててね!!
……ここからが赤黒夫婦の本領発揮でしょ……黄瀬ちん、血の涙が待っていそうだね。
紫原っち……不吉なこと、サラリと言わないで欲しいっス……。
でも、ほら、予想的中じゃん。
あああああっ……!!! 黒子っちがっ、赤司っちの、肩にしなだれかかって、可愛らしくバニラシェイクを飲んでるぅうううっ!!! しかも、さりげなく、恋人繋ぎしてるしぃいいいいっ!! どこぞのラブラブカップルみたいにぃいいいっ!!!
何言ってんの黄瀬ちん。あのふたり、ただのラブラブ赤黒カップルでしょ。赤ちんは黒ちんが淹れたお茶を優雅に飲んでるね……黒ちんをやさしく見つめながら……好きなんだろうなぁ、黒ちんのこと。
お、おれのほうがっ、ぐすっ、くろこっちのこと、すきだしっ……!! あかしっちなんかに、まけないしっ!!
黄瀬ちん、半ベソで心折れかけてんじゃん……。あっ、今度はあーんしてショートケーキの食べさせ合いっこしてる……本気のバカップルだね、赤ちんと黒ちん。
うぇっ、ひっく、ひっく、もう、なんか、ふたりのせかい、ってかんじで、おれ、もう、みてられないっすよ……あんなしあわせそうなくろこっち、みるの、つらいっす!
……もう、諦めようよ、黄瀬ちん。
……え?何言ってんスか、紫原っち。
ふたりの間に付け入る隙なんて、一ミリもないってこと。
いや、いやっス、黒子っちのこと、諦める気なんか、俺は一ミリもないっスよ!!
そんなこと言われてもさぁ……黄瀬ちん、無理なものは無理って解らないのぉ??
えっ……、
赤ちんと黒ちんは一心同体、ふたりでひとり……どんなに切っても、切れない関係なんだよ。
…………、
もう、こんな悪趣味なこと、やめようよ……ほら、もう、ふたり、いい雰囲気になって、
……イヤっす……、
え、黄瀬ちん?
もう我慢の限界っス!! 俺、死を覚悟でふたりの邪魔をしに……、
『おい、覗き見駄犬、ここからは、僕だけのテツヤだよ、ざまあみろ』
グシャリ、……ザァーーーー……、
えっ、いまの、赤司っちの、声?……あ、黒子っちの部屋の画面が砂嵐に……なっ、ま、まさか……!!
赤ちん、隠しカメラが仕込んであったの、分かってたんだね……さすがだなぁ。
……じゃあ、わざと俺に黒子っちとのラブラブぶりを見せつけて……もしかして、今から、黒子っちの部屋で、俺に見せられないこと、見せたくないこと、するつもりじゃ……、そうはさせな、
(ドスッ!!!)
ぐぁっ!!?……む、らさき、ばら、っち……うら、ぎりもの……、……。
(バタリ、)
ごめんねぇ、黄瀬ちん……やっぱり、俺は、幸せな黒ちんが一番目に好きで、黒ちんを幸せにしてくれる赤ちんが二番目に好きだから……“ふたりのせかい”を守りたいんだぁ……。
“ふたりの恋路をじゃまするやつはなんびとたりともひねりつぶしてやる”
これでやっと、ふたりきりだよ
存分に愛し合ってね?
俺の大好きな父さん・母さん
※ここまでが、おそらく、まったりのんびりイチャついているように見えるかもしれない私なりの赤黒ちゃんです。ゆったりどろりとイチャついている、不思議意味不明赤黒ちゃんで続きも書いてみたので雰囲気の落差について来られる方は上記の紫原くんの言葉のリンクからとんでお読み頂ければ幸いです。