ぷいっ、と、そっぽを向かれてしまった瞬間、急激に襲いたくなって、散々に狩ってしまった
「……うぅ…、ひどい……ひどいです、赤司くんの、ばか、あほ、ぼーくん、まおう、ひとでなし」
「………すまない、テツヤ」
ある相談を持ちかけられた事を皮切りに、些細な事で激しい口論になって、眉毛を釣り上げながら僕を睨みつけて僕に物申していたテツヤ
意識が僕に向いているのはいつものこと、何故ならテツヤは僕を好きだから
そして、僕もテツヤを好きだ、何よりも誰よりも、心から想っている
はずだったのに、どうして理性の糸はタイミングを間違えてブツリと切れてしまったのか
引き金は、テツヤのこの一言
「もう、赤司くんには何を言っても無駄ですね……やっぱり、単純バスケ馬鹿だけど、僕の話に耳を傾けてくれる…青峰くんに相談します」
青峰、テツヤの相棒、僕の最大の恋のライバル
決定打に欠けた両想いだと解っていても、テツヤの心の中に強く光り輝く奴の存在が、常に僕の胸中に波風を立てていた
その人間の名前を、テツヤの口から聞く度に、理性の糸はゆっくりゆっくりほつれていっていたのだ
そして、今回の喧嘩でテツヤがそっぽを向いた時に、それは切れた
意識が僕からあの男に移ったと、感じ取ったから
「……あかしくんなんて、もう、きらいです、だいきらいです…」
まさにこの事か、自分で自分の首を絞める、とは
「やっぱり、あおみねくんを、すきになれば、よかった…」
あああ、やめてくれ、これ以上、僕の奴に対する嫉妬心を刺激しないで欲しい
「どうして、こんなひどいきみを、…いちどでも、すきになってしまったのでしょうか…ぼくのはつこい、まちがえました…」
肉食獣の本能が、
「…じゃあ、間違いが正解になるまで、テツヤを壊し続けてあげるよ…誠実な愛情をもってね」
何度でも、牙を剥くから