*【み え る よ】の赤司君の独白
みたくないものまでみえてしまう
こんな瞳、ほんとは嫌い
嫌いだけど、とても役立つんだ
あぁ今日も、僕のテツヤに近付く害虫発見
ひーふーみーよー…殺す殺す殺す
ほんとに殺したら、お前は泣くから、頭の中で惨殺事件
そうでもしないと、狂ってしまう
湧き上がる嫉妬を次々押し殺すことは、殺人衝動の排泄
お前は知らない、僕以外へ無防備に振りまくその無垢な笑顔に、心乱されている僕を
テツヤを独り占めしたい、強い願いを胸に抱きながら、決して叶わないことに憤る
もし何も見えなかったら、こんなに苦しむこともなかったのに
テツヤの世界は僕だけで構築されているわけではない、そんな現実を知りたくなかった
いっそのこと、なんでもみえてしまう、この瞳を潰してしまいたい
グチャリ、と潰してしまったら
“赤司君、ありがとうございます”
いけない、僕の瞳に住まうテツヤも潰してしまう
そんなことはできないよ、テツヤだけは生かしたい
僕の心だけ握りつぶしてしまえばいいんだ、グチャグチャに
“赤司君が、怖い、逃げたい、嫌い”
みえるよ、みえるよ、お前の姿も心も過去も今も未来も全てのモノが