いつからか、僕らの雲行きは怪しくなっていた


ザアアアアア、突然の雨。雲一つなかったはずの晴天から一気に変転、驚いて雨宿りの場所を探す。衣服を濡らし身体を重だるくさせる雨水は何故か泥のようにしつこくて。泥塗れになった感覚、気持ち悪い、それ以上に気味が悪い。妙な不安感が押し寄せてくる。早く、早く、雨宿りできる場所へ逃げなきゃ。

ゆらり、そんな中見つけた、静かにこの世界を歩む赤色の人。川の流れに身を委ねているだけ、彼自身に意思は見当たらない。ゆらりゆらり、このままだと地獄に流されてしまいそう。嫌だ、行っちゃダメだ。咄嗟に掴んだ冷たい手を強く引き、目についた喫茶店へ命からがら駆け込んだ。店員の驚いた顔なんてどうでもいい。少し焦った案内の声を無視して、ズカズカとテーブル席へと進み、赤司君を椅子へ座らせる。赤色の髪からポタリポタリと雫を滴らせて、虚ろな目をしている彼の頬はひどく青白かった。痛々しい色彩のコントラスト、胸が苦しい。勝手にホットミルクをふたつ頼んでから、カバンに入っていたハンカチで彼の肌に触れた時、


「やっぱり、俺も僕も、助けるのは…黒子テツヤなんだね」


激流に飲み込まれる運命、嵐を予感させる、泡となって消えそうな彼の笑みが怖い





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