何がなんでも、負けたく、無かった
「テツヤはどうしたら僕のモノになってくれるんだい?」
パラリ、本のページを一枚捲りながら、そう問うてくる
「僕はどうしたって赤司くんの“モノ”には、なれませんよ」
ガタリ、読み終わった本を手にしながら席を立つ
「それでは、また明日」
スタスタスタ、真正面に座っていた彼のカオは見ないままに、背を向けて出口へ歩き出す
「…ねぇ、…テツヤ、僕は勝利するのが常なんだ」
知っています、心の中で答えても、背中は無言を突き通す
「だから無駄足なんだ…そんな悪足掻きをしたとて、僕のモノになるという運命でしか生きられないのに……往生際が悪いね、テツヤは」
足掻いて、何が悪い
誰が降伏してやるものか
運命?それは僕が切り拓いていく
「僕は、赤司くんを、尊敬しています。でも、ただ、それだけですよ」
君を好きになどならない、逆らった運命を、力尽くで生きていく