君の嫌いなところ、それは横暴なところ

僕が君以外の人とちょっと話をしているだけで、不機嫌イライラ怒りだす

まず無言でジィ〜ッと睨まれ、次にガバリと手で口を塞がれ、最後はグイッと強引に連れ去られてしまう

ふたりきりの密室、追い詰められた壁際、両腕で囲い込まれた僕


「ねぇ…テツヤの口は何の為にあるか、わかってる…?」


嫉妬の波がゆらめく瞳、子どもへ問いかけるようなゆったりとした口調、ジリジリと間合いを詰められていく赤い唇

わかってる?わかってない?

潔く答えないと、このままでは何も言えずに答えを教えられてしまう

だいじょうぶ、わかってる

君のお望みの答えは、もうわかっているんだ


「…赤司くんと、キスする為で、」


す、と続ける前に、無言の答え合わせ

瞬きも出来ないまま、好き勝手な口付けをしないで欲しい

よく出来ましたと、満足そうにほくそ笑む横暴な君が嫌いで、

独占欲の強い幼く可愛い君が、腹立たしい程大好きだ





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