どうしてそんなカオをしているの?
下がり眉、軽く伏せた瞼、引き結んだ唇
無表情鉄仮面だったはずの黒子テツヤは、このところ困り顔ばかり
何故なら、人目も憚らず四六時中ベーッタリと赤司征十郎が彼へひっついているからだ
口を開けば呼吸と一緒に「テツヤ、スキスキ」と軽快に愛の告白
おまけにスリスリ頬ずり、ギューギュー抱きついてくるのだから、過剰なスキンシップの免疫が低い黒子テツヤはほとほと困り果てている
彼の肌から自分の肌へ伝わる、純粋なあたたかさが、嬉しくて気恥ずかしくて
「テツヤ、あいしてるよ」
こんなに人に愛されたのは初めてで、どうしていいかわからないのだ
ほんとうに困る、赤司征十郎から与えられるひとつひとつの愛情で、涙がこぼれそうになるから