「強くなりたい」とテツヤは願えども、「そのままでいて」と僕は願っている。強くならなくていい、僕がとっても強いからとっても弱いテツヤを守ってあげる、テツヤは黙って僕の背中についてくればいい、一人じゃ勝てない無力なテツヤが僕は好きだよ。だから、


「僕は君の駒にはもうならない、次に会う時は敵です」


悪足掻きは止してよ、僕のテツヤ

僕の手から離れるなんて、ひどいよ


「その時は、僕は“歩兵”ではなく、“黒子テツヤ”ですから、覚悟してて下さい、“王将”さん」


小さな反逆者の静かに燃える瞳には、僕だけが映っている

それも、悪くない

仕方ない、お前がそういうなら、


「僕はいつでも、テツヤの帰りを待ってるよ」


その時は全力でとりにいくよ、僕の妃となる“歩兵”をね





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