早朝、いつも僕が一番早く到着するはずの部室に先客を知らせる声がする
「す、す、すすす好きなんです!……青峰くん、」
テツヤが、大輝に、好き、と言う
そのバッドエンドを、何度も夢で見たけれど、本当にそんな結末へ辿り着くなんて、僕はなんて不幸な片想い人間なのだろうか
その場から弾かれたように逃げ出したって、この受け入れ難い現実は変わりやしないというのに
僕は自分を見失う程、心の中がテツヤでいっぱいなんだ
「…青峰くん…ど、どうですか?やっぱり青峰くんを練習台にしても噛みまくる程緊張してマトモに告白出来ません…青峰くんのガングロをもってしても、目に映るのは美しい赤色がきらめく彼にしか見えないんです…僕の心は、赤司くんでいっぱいですから」
放課後、テツヤに呼び出された僕を待っていたのは、初めて見る事が出来たハッピーエンドの夢
悲哀の絶望、それから一転、歓喜の発狂
“話は最後まで聞きましょうね”
そんな誰かの声を微かに耳にしながら、僕はテツヤを抱き上げて喜びのキスをひとつ落とした