【恋の∞勝負 黒子テツヤお誕生日祝い特別編】

※本編の時間軸よりずっと後、きっとふたりが結ばれた後の黒子君のお誕生日
※先取り展開が嫌な人はご注意下さい




愛する人へのお誕生日、キミはなにを捧げたい??




もう待てない、限界だ、喜びの瞬間まで、あと…

チッ、チッ、チッ…カチッ

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ガッシャーーン!!!

「テツヤァアアアァアアァッッ!!!お誕生日おめでとう!!!世界一愛するお前への誕生日プレゼントはテツヤを世界一愛してる僕だよ!!!」

「…赤司君、真夜中に人の家の窓ガラスを突き破りやがって…この暴走クラッシャー野郎。…それにガラス片にまみれて血だらけですよ。その出血量と奇行、大丈夫じゃないですよね…そこから動かないでください。早急に、救急車と警察を呼びますから」

「僕のことを!あのテツヤが!心配してくれている!あの冷血漢のテツヤが!…恋人の特権ってヤツか…フフフ。お前が全ての傷口にやさしくキスをしてくれたら一発で治るから、心配しなくていいよ…だから早く熱い接吻治療をお見舞いしておくれ!」

「ちゃんと病院で傷口の手当てをしていただいて、次いでに脳に異常があるか検査してもらった方がいいですね、きっとありますよとんでもないバカですから。そして、ちゃんと警察へ引き渡してもらいましょう。器物破損と住居不法侵入罪ですからね、バカ司君。」

「…どこへ行ってもなにがあっても…必ずお前の胸の中へ帰ってくるよ…僕のテツヤァアアッ!!!」

「それ以上興奮しないでください。僕の部屋がキミの真っ赤な血で汚れてしまいます。そんなにダラダラ血を流しても平気なんて…バカ司君は色んな意味で無神経ですよね、本当に。」


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みんなの視線と話題はいつもふたりへ向かってる

ザワ、ザワザワ…、

「あ、赤司…一体全体何があったのだよ…顔面、包帯グルグル巻きで…瞳孔がかっ開いた眼だけが隙間から見えていて…ものすごく不気味だ……ふ、不吉の象徴なのだよぉっ…!!!」

「うわっ、ミイラ男かよ!どーせ、バカ司のことだからテツん家に行ってなんかやらかしたんだろ?誕生日なった瞬間にテツの部屋へ侵入しようと窓ガラスへ突っ込んで祝ったり…んなわけねーか!いくらバカ司でもそんなバカなこと…」

「ふ、…フフフ…さすがテツヤの相棒だな…大輝、ご名答っ!!しかし僕はバカなんかじゃない…これは、名誉の傷さ…!僕はテツヤへの愛の為なら、たとえ火の中水の中ガラスの中…!!!」

「………これは、本気のバカなのだよ…」

「…あぁ、ドン引きのバカだったな…」

「…ったく、破天荒極まりない迷惑な愛ですよ……恥も外聞もないですね…バカ司君は」


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思いがけない、早とちりケーキを召し上がれ

シャララ〜ン!!!

「部活終了後は…今日1月31日に生まれた我らが天使・黒子っちのお誕生日パーティーッスーーー!!」

パチパチパチパチ!!

「皆さん、ありがとうございます」

「はい!それじゃあまず誕生日ケーキを…担当は未来の食いしん坊パティシエ・紫っちッス!」

「は〜い、黒ちん、結婚おめでとう〜」

「え?…け、結婚…って?どういうことですか…?それに、なんですか、そのとてつもなく大きくて豪華なケーキは…まるで、」

「えっ?だってぇ黒ちんのお誕生日に赤ちんと結婚式するんでしょお?新郎に頼まれたからふたりの為に頑張ってウェディングケーキを作ったよ〜ほらほら赤ちんとケーキ入刀してよ黒ちん!」

「(絶句)」


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ふたりきり、歩く道にて、反芻する


「…全く、純粋な紫原君を信じ込ませて、あんなに立派なウェディングケーキを作らせるなんて…赤司君の大馬鹿野郎」

「…あぁ…ケーキ入刀…初めてのふたりの共同作業だったな…僕はあの瞬間を一生涯忘れないよ、テツヤ」

「…ぅ、…僕だって、イヤでも忘れられませんよ……ミイラ男との擬似結婚式は…夢でも魘されそうです」


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夢で終わらない、いつかの現実で真実の愛を


「家まで送ってくれてありがとうございました。…それでは、また明日…、」

「…テツヤ!」

「…赤司君?」

「あの…これ…良かったら、」

「…なんですか、これ………えっ、…ゆ、指輪?」

「18歳になったら、お前を迎えに……いや、攫いにくる…。それでも構わないなら…それを薬指にはめてくれ…約束の証だ」

「…やくそくの、あかし…」


ドクンドクンドクン、激しく波打つ心臓が自爆して殺されてしまいそう。未だテツヤの手の中で転がるガーネットの指輪は、まるで僕のようだ。必死のアピールでどうにかこうにか想いが通じ、僕はやっとの思いでテツヤの恋人になれた。でもただ“付き合えた”それだけだった気がする。僕の想いはテツヤの元へ届いただけで、中身は開封されずにテツヤの部屋に転がっている状態。そんな風に、僕の愛は完璧な拒絶もされず、完璧に受容されてもいない、とても中途半端に思えた。白黒、ハッキリつかない、ならば、つけてやる。これは僕にとって一世一代の大勝負。もし負けたら、きっと無神経な僕の心すら、最愛のテツヤはいとも簡単に壊して、堪え難い痛みを一生植え付けてしまうのだろう。怖い、やっと手に入れた生温い幸せに浸かったままでも、良かったのに。僕の愛は余りにも、愚直過ぎたんだ。怖い、沈黙の秒針が時を刻む度に僕の心を凍りつかせていく、怖い、でも、本当に、


「、……なんなんですかもう…これ、僕の指にピッタリじゃないですか……ありがとう、赤司君…もし約束を破ったら、八つ裂きの刑ですからね!」


好きなんだ、大好きなんだ、その滅多に見られないイタズラっぽい弾けた笑顔の奥、僕の不安を溶かすあたたかな愛を感じて、1月31日世界一の幸せ者になった僕は、必ず黒子テツヤを永遠に世界一幸せな花嫁にすることを心に誓った。













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