*【空模様】の高智なおさまから頂いた相互記念赤黒ちゃん小説








※黒バス小説にある『限界なんです!(赤黒)』と同軸話。
※基本設定に人見知り・黒子厨赤司。



かちゃりかちゃり、と食器の擦れる音が静かな台所に響く。
昨日から両親は用事で今この家の人間は僕だけだ。小さな子どもではないから、別段困る事は無いに等しい。



先日永かったWCが終わりを告げ、短い冬休みを満喫している最中だ。
キセキの世代と呼ばれた彼らやその仲間達と一緒にストバスで遊んだ記憶は、良い想い出である。
昨日も寒空の中ではあったけど、バスケ馬鹿は集まっての大騒ぎに笑いが絶えなかった。



記憶を再生させて一人笑っていると鍋の水が沸騰した様子が横目に入り火をとめ、茶葉の入ったポットへ注ぐ。
途端、緑茶独特の香りが立ちほっとさせてくれる。素早く蓋を被せ、一口大の、決して甘過ぎない彼好みのお茶請けも一緒に部屋へと戻る。




丁度良い広さの一種自分の城とも謂える自室の扉を開けば、ベッドの布団が盛り上がっていて、僅か苦笑がこぼれてしまう。


「…赤司君、お茶にしませんか?」

「……する」


カーペットの上に立ててある机におぼんを置いた後、近寄り声を掛ければ、少し拗ねたようなけれどもはっきりとした返事が返ってくる。


布団から抜け出してきた赤司君は、床に座る僕を背中から抱き込み肩口に顔を埋めたまま動かなくなった。

暖房を点けていない部屋に背中から伝わる赤司君の体温が温かく、小さな吐息が肌にこそばゆい。


「どうしたんですか?」
「今日は、何処にも行かないよな」
「…そう、ですね、もしかしたら夕飯の買い出しに出掛けるかもしれませんが」
「ずっとこのままで居たい」
「駄目です、まずお茶が冷めちゃいます」
「お茶は飲むよ、でも仕方ないじゃないか昨日は皆にテツヤを取られるし、火神やら高尾やら黄瀬やら青峰やらが引っ付いてるから近寄れないし一人だと思って行っても誰かすぐ来て離れるしかないしでなかなか一緒に居られなくてキセキ以外の面々が居る所では独り占めしたくても出来なくて今日やっと、何も、無く、テツヤに触れれるのに」
「…僕は君と一緒にバスケが出来て嬉しかったですよ?冬休みが終われば無理ですから」


「僕は足りない」
「分かりました、こうしましょう」


くるりと彼の腕の中で向きを変え、向かい合う。
帝光時代から変わらず、他者に向けるのは王者然とした凛々しい姿だが、こうして二人で居るときは何処にでもいる、“赤司征十郎”という名前の只の高校生なのだ。

彼の手を取り不安げに揺れる目を覗きながら、言葉を舌に乗せる。


「今日一日はずっと一緒です、明日からは時間がある時は君に会いに行きましょう、そしてこうして君に寄り添います」
「消える約束は要らない」
「僕が君を好きだから、という以外の理由が必要ですか?」
「…いらない、テツヤがテツヤで在ればいい…逢いに来て」


「大好きですよ、赤司君」



寂しく笑わないで、僕が出来る事は限られてしまうけど、それでも君の側に居ることは出来るんです。



小さな約束を沢山しましょう?


それが、二人で歩く運命と呼べる道になるまで…




end


*感想とお礼

まず、一句……「赤司さま、マジでカワイイ、殺す気か」

高智さまぁぁああああっ…!!!ありがとうございますっ…!!!こ、呼吸がっ…、呼吸があああああ…!!!肺が弱い私の肺が悲鳴をあげても、この胸苦しさが盛大な萌えという有難い幸せに直結するという、何とも素敵過ぎる高智さまの赤黒ちゃん!!!赤司さまの言動ひとつひとつが私のツボを強刺激…黒子くんのやわらかであたたかい包容力に心臓ズキュン…ふたりの間に流れる繊細で穏やかな慕情に、私はもう昇天しました…感謝です。“小さな約束”という言葉が、とても印象的で、その連なりが幸せなふたりの未来へと繋がっている愛おしい情景が目に浮かぶようです…また宝物が増えました…本当にありがとうございます、大切にします!!改めて、これから相互さまとして何卒よろしくお願い致しますねヽ(;▽;)ノ


2013.1.21.ニニ子





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