名前:黒子テツヤ(くろこてつや)
性別:男
身長:168cm
体重:57kg
見た目:小柄、無表情、色白、小動物、とにかく天使
特徴:気配はもとより存在を消してしまう特殊能力があり、幼なじみですら見つけ出すのが困難な透明人間
注意:極度の人間不信で無口、決して怖がらせたり無理に喋らせようとしてはいけない


そんな人間がいるのだろうか、と赤司は半信半疑だった

それに、“天使”だなんて馬鹿げた形容、乾いた笑いが出てしまう


『とにかく、テツくんは…天使みたいに可愛いのっ…むしろ、テツくんが天使なの!!…だから、赤司くん…見つけても、変なコトしないでね!それに、…乱暴な事して、テツくんを傷付けたら…いくら、赤司くんでも、許さないから…死を覚悟で赤司くんを成敗するからっ!!……大ちゃん、が』

『ふざけんな、さつきっ!!俺はまだ死にたくねぇよ!…でも、赤司…それ程…テツは、俺たちにとって、大事な幼なじみだから…そこんとこ、よろしくな』


元々、他人に興味が無い赤司は、必要最低限の人物しか覚えていない

自分にとって、利益又は実害がある人間は頭に入れておき、毒にも薬にもならないその他大勢は海馬の外に捨て置いていた

だがしかし、あのふたりがあそこまで並々ならぬ執着をみせる、もうひとりの幼なじみの存在に、図らずも好奇心が湧く

多少はその“黒子テツヤ”に注意を払ってみるか、そう考えながら赤司はふたりと別れた

その後、中庭に着くまでの道のりで、教えてもらった情報に当てはまる人物は見ていない

人よりも観察眼に秀でた色違いの瞳に見落としなんてあり得ない、と赤司は自負している

そう、だからこそ、自分はいつか、“黒子テツヤ”を必ず見つけ出すに違いないと確信していた

緑の中を歩み進んでいる赤司は、密かに自信に満ちた笑みを浮かべる

そうして歩いている内に、赤司の視界には、自分のテリトリーの目印である年老いた大木が

さあ、ひとまず、休もうか、と、足を一歩踏み出した途端、


スゥ……スゥー……、


耳に微かな、誰かの呼吸音が、流れて、自分の呼吸が止まる

誰だ、僕の庭に、土足で足を踏み入れた、無知な侵入者は

と、いつもの赤司ならば怒り出しただろう

しかしながら、赤司の直感は冴え渡り、ある予測が立てられ、怒りではなく期待に満ちた喜びがゾクゾクと背中を伝い頭へ駆け巡る

気付かれて、一目散に逃げられ、消えてしまわぬよう、細心の注意を払って、ゆったり、ひっそり、そろりと、あの“さがしもの”らしき人物へ近づいていく

一歩・一歩、進む度に、ドキドキ・ワクワク

そんな時、赤司はふと、幼い頃に何度も読み返した、宝探しの絵本を思い出した









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