手遅れだから許しておくれ


ただの口癖なのか、もしくは

「テツヤ」
「…テツヤ、」
「テツヤァ!」
「テ・ツ・ヤ(はーと)」
「テ〜ツ〜ヤ〜」
「テッツヤテツヤ!」
「テ、テツヤ?!」
「テ!ツ!ヤ!フゥーーー!!」
「…テ……チュ……ヤ……」
「テツヤァァアアァアァッーーーー!!!!!」


「…う、…る…さーーーい!!!!!もうっ!!毎日毎日いい加減にして下さい!!!どうして君は僕の名前を何度も何度も、耳にタコどころか血豆が出来そうです!!!赤司くん、君には“テツヤ連呼禁止法”を規定します!!」


バリエーション豊かに名前を呼び続けられることに耳も心も疲弊して憤慨した黒子が打ち出した赤司に対する法律。しかし、


「すまない…僕、実は…テツヤが好き過ぎて一日に最低10回以上、テツヤって言わないと禁断症状が起きて発狂してしまう重篤な恋の病なんだ…どうか、許して欲しい」


目の前の赤司があまりにも、深刻そうに病状を説明し、申し訳なさそうに謝るものだから、はからずも良心が痛んでしまった黒子はしぶしぶ「…もう、ほんと赤司くんは仕方ない人ですね……お大事に」と許すしかなかった。


「…ありがとう、テツヤ」


赤司が嬉しそうに発音したその名前、黒子にとってなんだかちょっぴり心地良かったのは秘密。





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -