凍える冬に、人間カイロ



もう、こんな季節になってしまった




「ふぅ…いいお湯でした…」


寒い冬はゆっくりお風呂へ浸かるに限りますね

冬が大の苦手な僕も、ポカポカ体が温まりました

今日は結構ハードな内容の部活だったので、いつもの寝る前の読書は止めにして、すぐベッドに入りましょうか

そんな事を考えながら、僕は自分の部屋のドアを開け、

ガチャ、バタン

……モワン……

湿っぽく絡みつくような、異質な空気を、瞬時に感じ取りました


「……なんでしょう、いつもの部屋の雰囲気と…違うような………、」


気味が悪い、そう思っていると、僕の耳に聴こえたのは…、

すぅ〜はぁ〜……ハァ…スーハー……ハスハスハス…、

何かを夢中で嗅いで、その匂いを全身全霊で堪能しているかのような、激しく気持ち悪い呼吸音


「……(僕のベッドの中から気色悪い吐息が……まさか、)」


バッ!!気配を消して、勢い良く布団を捲り上げた僕の目に飛び込んできたのは………、




「…ハス……は、……やあ、テツヤ。寒がりなお前の為にベッドを僕の情熱的な愛で暖めておいたよ…ふふふ…僕がテツヤを甘くとろけるような夢の中へ誘ってあげよう。さぁ…おいで……テツヤッ!!」


悪い予想を裏切ってはくれない、変態不法侵入者・赤司征十郎くんだった

全く、成り下がるばかりですね、変態魔王様は


「まさか赤司くんを警察へ通報する日が来るなんて……ちょっと遅かった位ですね。大人しくしてて下さい。絶対に逃がしませんからね」

「警察よりもテツヤに逮捕されたい、テツヤに愛の手錠をかけられたいっ…!!!」


鼻息荒く興奮する彼は、警察という言葉を発したのに1ミクロンも動じず、終いには頭が沸いた求愛発言をかますもんですから、


「ちょっと、黙ってて下さい、赤司容疑者」


ドゴォッ…!!!



鳩尾に、報復がてらの、イグナイト





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