似たもの同士の運命指数
※企画星結びへの提出物。
現パロ、名前変換なし




こいつが彼氏になるなんて想像できないもん。

なんて、思ってた時期が私にもありました。いや、向こうもそう思ってるに違いない。だって確かもう彼女いるでしょ?
そんな噂をチラリと聞いた。だから諦めようと…思ってるんだけど…。こいつはひどい。

「ちょっと、三郎。次移動教室よ」
「ん…あと五分」
「五分もしてたら授業始まるでしょ!!不破くんも竹谷くんも先行ったんだからね!」

いつも夜何時に寝てるのよ…。こいつはいつも授業中寝こけて移動教室のたびに私を困らせる。そのくせテストは高得点。実際何点かはわからないけど、物理の先生に「お前はあと平常点だけが足りないんだなー」と言われていた。

「らいぞー…」
「だから先行ったっつの…。早く出てくれないと学級委員長の私は鍵を閉められないのですよ鉢屋くん」
三郎は んんー?と眠たそうに言った。
んんー?って…可愛いのよ馬鹿。

「もしもしー、鉢屋くん起きて下さーい」
「おまえさー」
「なに?」
「その苗字呼びやめろって言ったよな、前に」
「だって鉢屋くんが起きてくれないんですもの」
「つら…。ボソ」
「え?なんて?」

あー、もうすぐチャイム鳴るってー!鍵かけたら職員室まで持って行かないといけないんだからね!?次の教室素晴らしく職員室と真反対なんだからね!?でもこうやって二人だけで話をするのは大好きだったり。寝坊常習犯に感謝。

「ねー、そんなだらだらしてたら彼女さんに嫌われんじゃないの?」
「…は?」
お、三郎が初めて顔をあげた。ほっぺたにカーデの模様ついてるよ…可愛い。

「だから彼女さん。だらしない男はカッコ悪いよー」
「チッ…いねぇよ馬鹿。ボソ」
「あ、ちょっと今舌打ちした!?ねぇホントさっさと起きてよ!!」
ねーねー!ほんと後数秒でチャイム鳴っちゃうってー!!
と肩を揺らし机を揺らしていたら

バンッ!
「あーもー!うるっせえな!!毎度毎度腹立つんだよ行きゃあいんだろ馬鹿!!」

あまりにもびっくりして返す言葉を失った。

「ご…めんな…さ」
「お前ウザい」

…私はしばらく立ち尽くし、チャイムが鳴り終わっても三郎の席を見つめていた。



階段を駆け上がる。俺に、彼女なんかいるわけないだろ!!
お前の席なんだ!お前だけのために作られた…!!あぁ、イライラする!このままじゃ授業なんか出れそうにない…けど、出なきゃまたあいつに迷惑かける。馬鹿教師どもめ、何でもかんでも学級委員のあいつに文句たれやがって!

…あれ?さっき俺、あいつに何て言ったっけ?

…俺はしばらく立ち尽くし、チャイムはとっくに鳴り終わって、階段の踊場で自分の足先を見つめていた。

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