おはようございます。僕です。この間綾部君とご飯をご一緒させてもらってから、何だか周りがとても賑やかになった気がします。それと言うのも

「よく聞くがいい!!戦輪というのは元々円盤型のぐだぐだぐだぐだそれを周りの部分全てを刃物にぺらぺらぺらぺら」

「はんっ!何をペラペラと喋るかと思ったらまたお前の戦輪か。そんなものより、見ろ!!この麗しい火器たちを!第一に火器とはくちゃくちゃくちゃくちゃその中でも僕がよく使うこの大きさのこの形の子たちはぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ」

「なにを言う田村三木ヱ門!」
「お前こそなんだ平滝夜叉丸!」

今日も元気なお二人が仲良くケンカをなさっているからです。最初は僕に得意武器がないからーってことだったんですが、このようになってしまいました。まぁ僕知ってたんですけどね!

でもまぁ、ケンカするほど仲がいいっていうじゃないですか!!一年生の初めて見たときはどうしたらいいかわからなかったけど、これがお二人のふれ合い?なんだと先生が教えてくださったのでそれからは少し離れていることにしました。

そして綾部くんは穴掘り中です!今いくつめ!?体力すごいですよね!さすがい組です!!

あぁ、そういえば今日は三年生の二人が蛸壷に落ちるんだったかな?早めに三反田くんに言っておいてあげよう!見つけるのは同じ教室の子みたいだけど誰が何組か知らないしね!!少しでもお役にたてれば嬉しいなぁ…なんちゃって。最近の僕調子乗りすぎですか!?

ぺしぺし、と土を叩く音が聞こえたので振り返ってみると、案の定綾部くんが穴掘りを終えていました。田村くんと平くんは忙しいみたいだし、ちょうどいいから三反田くんのところへ行かせていただきます!

綾部くん、綾部くん!
「三年長屋に行ってくる」
「おやまぁ、何しに?」
「(迷子くんが今日も迷子になるみたいだから)三反田(くん)のところに(行って教えてあげようと思うんだ!)」
「私も一緒に行ってもいい?」
「(ええええ!いい、一緒に来てくれるの!?ど、どうぞどうぞ!僕なんかと居てもつまらないかもしれないけど…うん!)一緒に行こう(!!)」

わーい、と無気力そうに三年長屋の方に歩き出す綾部くんですが…ちょっと待って!!
「綾部」
「なぁに?滝たちならそのままほっていっても大丈夫だよ」
あ、そうなんだ、二人はこのまんまでいいんだ。いやそうじゃなくて!
「蛸壺に印を(置かないと危ないよ!!)」
「えぇー?」
えぇー?じゃないよー。もしここに下級生が落ちたりしたら探しにこれないじゃない…。

「剛剛、ジャンケンホイ」

!?
「出さなかったから私の勝ちね、行くよ」
えぇ!?なにそれずるい!今のはずるいよ!!
「ずるい」
「だって私は忍者の卵だもーん」
意味わかんないよー!綾部くんずるいよ!
「ずるっ子」
「ずるっ子?それ面白いねぇ」
おーもーしーろーくーなーいー!!僕怒るよ?あ、でも僕なんかが怒っても怖くも何ともないか。意味ない!!



長屋の方に行こうと思ったんだけど、三反田くんはそっちには居ないとわかったので保健室に行くことにしました。

「なんで保健室に居るってわかるの?」
うーん、なんて答えれば…。えーっと、えーっと…ちょっとはぐらかしちゃおうかな。
「まぁ」
「おやまぁ」
いいんだ…?


コンコン
「失礼します」
「あ、剛先輩!」
「綾部に大和じゃないか、怪我でもしたのかい?」
うわああああああああ何で善法寺先輩居るんですか保健委員だからですか今日はお二人で当番なんですか!!どうしよう…先輩の前じゃ話せないよ…!ち、ちょっと話すだけだし、廊下でちゃちゃっと済ませよう!

「三反田」
ちょいちょい、と手招き招き。
「はい」

綾部くんは中に入っちゃってたのですみませんがそこにいてもらうことになっちゃいました。戸を閉めるとずりずりいう音が近づいてきたけど…多分綾部くんが聞き耳立ててるな。まぁいっか。
「三年の二人組の誰かが蛸壺に落ちるだろう。居なくなった友人が出たら穴を探してやれ」
「二人組…あ!はい、誰かわかりました。作兵衛に言っておきます!」

…誰?さくべくんって誰?
とりあえず頷く。さて、用事も済んだことだし帰ろう。何も言わないで来ちゃったから、やっぱり平くんと田村くんに申し訳ないや。

戸を開けると、やっぱり綾部くんはすぐ近くに居ました。
「戻ろう」
「私はもう少しここにいるよ。先に戻ってて」
「わかった」

というわけで僕は1人でお二人のところへ戻り、平くんたちに何処に行っていたのかとか勝手に行くなと言われたのでした。やっぱりちゃんと言わないと駄目でしたか!ごめんなさい!!
僕が去った後の保健室で、綾部くんが三反田くんを質問責めにしているとは露ほども知らず。
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