それでも僕は君の
※企画サイト「ほろへは!」さまへの提出物
※先読み少年
(簡易説明→なんとなくちょっと先がわかる四年ろ組の子)
最近喜八郎がお気に入りの剛。
同じクラスだというのに話したことも数えるほどだ。喜八郎や三年の三反田とはよく話しているというのに…。
そういえば、授業が終わると教室には居ない。授業中はちゃんと居るのに!
まさか…僕は避けられているのか!?今まで四年間同じ教室で学んできたのに!!
よく考えれば話しかけられたこともないじゃないか!全っ部僕からだ!!それに話しかけたとしても返事が少し遅い…!名前を呼ばれたこともない!!
僕とは話もしたくないと!?
僕と同じクラスなのに!!僕の方が付き合いは長いのに!?僕だけ嫌なのか!?
くそっくそっ!
最近田村くんが不機嫌で怖いんですけれども…!!
平くんともあんまり喧嘩しないし…ていうか平くんが怖がって近付こうともしないです。
そして僕もなんだか誰かに睨まれてる気が…。多分田村くんは関係ないだろうけど…。多分。
何かあったのかな…いやいや僕には何もできませんけども!!話を聞くことさえおこがましいと申しましょうかぐだぐだぐだぐだ…。
でもなー…最近たまに話しかけてくれるし…僕にも何かお手伝い…
あ。
そうだ、今日は保健委員会の活動がある日でした!!
僕が三反田くんのお手伝いをしてから少し仲良くなり、活動のある日はお手伝いする約束をしました!!
はっ…僕…頼られてるんでしょうか!?頼られてるなら…そのー、嬉しいなー…なんちゃって!!
いえ、頼られてるのではなく単に良いように用されてるだけだとしても!誰かのお役にたてるだけで幸せですよえへへへへ!!
「そこに穴がある。こっちだ。」
「あ、はい。…あの、大和先輩。」
「…。」
ん?なぁに?
「今日は普段よりお静かですが…。どうかしたんですか?」
あー…うーん、人のことをぺらぺら話すのもなー…。まいっか、名前を言わなければ。えーっと…クラスメートって言ったらバレるかな…?
「同じ学年の人が…最近イラついてるみたいで。…少し心配なんだ。」
どうしたらいいかなぁ?
「お話は聞いてあげないんですか?」
あまり話したことない…ていうかそんなお話させていただきに行くなんて滅相もない!!
ていうか僕なんかにそんなこと気付かれてるとしったらそれはそれで気分を害するのでは!?
僕が心配するだけ迷惑じゃん!!駄目じゃん僕!!!
「あまり。」
「あまり仲はよろしくないんですか。ではこれを機に仲良くなるのはどうでしょう?」
えぇ!?嘘!いいのかな!?うーん、でもやっぱり同じ組だもん!頑張るべきか!!
「…そうしよう。ありがとう。」
ぼ、ぼぼぼ僕、がんばるよ!!
さーて…思い立ったが吉日といいましょうか何でしょうか…実は三反田くんと話し出した時点で田村くんがどこに居るかわかってたりしました…!ひぃぃぃい!!
なんでお前なんかにとか思われたらどーうしーよーう!!だ、大丈夫!だってさっきのお手伝い中、今日の晩ご飯で田村くんはとても嬉しそうにお魚食べてるの未来を見たもん!!
これからいいこと起こるよ田村くん!!そのために仲良くなりましょう!!
あー…あー…この岩の裏に田村くんが居るよぉ…。
「…そこに誰かいるのか?」
あ、…ばばばばばバレた!!ていうか気配消すこともしてませんでした!!あーもー僕の馬鹿ぁ!!
「…剛。何か用か。」
うわあん!そんな怖い顔しーなーいーでぇぇえ!!!
やっぱり僕じゃ駄目だよね!?でも三反田くんに頑張るね!って言ってきたら…僕、負けません!
「最近様子がおかしいと…聞いた。」
一応綾部くん言ってたしね!
ぼ、僕は気付いてなかったよ!大丈夫!だって僕ダメダメだから!!
「べつに。」
エ●カさまぁぁぁあああ!!!うわああああ!絶好調に不機嫌だよ!?でも君の力になりたいので!邪魔だとしてもなりたいので頑張る!ていうか逃げ出す勇気もないです!!
とりあえずお隣に座らせてもらっちゃうからね!?
あの、ほら!落ち込んでるときは無言でも側に居てもらえるだけで落ち着くってい…そういえば田村くん別に落ち込んでるわけじゃありませんよねぇぇええ!!!
「…今まであまり話したことなかったよな。」
え!?…えー、だって、そんな僕なんかがお話させていただくなんて!!田村くんの時間が勿体ない!!
「君の人生での大切な時間をそんなもので潰したくはない。」
「!?っそんなものとはなんだ!!」
きゃー!なんで怒ってるのぉぉおおごめんなさいぃぃぃぃい!!!
あのね!でもね!
「…君のことは尊敬している。」
「…え?」
「実技も平均、座学も平均。どんなに頑張っても平均だった。でも君は…会計委員だったか?それのおかげか、計算が早かったな。女装の実技テストの時もとても綺麗だった。」
「…なんだよ。」
「同じ組なのに…大違いだなぁと。」
それに顔もいいし、話してて楽しいし、後輩思いだし、もう上げたらキリがないくらい田村くんはすごいよね!!
ほんっと尊敬しちゃいます!!!
なんで同い年なの!?天才なの!?
そして、僕の方を少しの間見てから田村くんは膝を抱えてしまった…。もしかして余計なお世話だった!?
僕なりの気の使い方だったんだけどやっぱり黙ってた方が良かったですか!!
「…。」
「…。」
むむむ…無言!
今度こそ僕黙っておきます!お口チャック!!!
「…剛は…得意な武器はない、のか…?」
え?んー、特にできないものがあるわけでもないし、基本的に全部ギリギリ可もらってるしー…
「特には。」
「その…僕はお前と違って座学も実技も優秀だし、サチ子やユリ子という得意武器もある!
そ、それでも僕はお前のクラスメートなんだからな!
何か話したいことがあれば遠慮せずにこい!なにもなくても僕のところに来い!わかったな!?」
田村くんカッコイイィィィィ!!!
僕が女の子ならイチコロだよ!素敵!カッコいい!流石自称アイドルだね!!もう自称どころの騒ぎじゃないよこの格好良さ!!!
ちょっと声裏返ったところも素敵だよ!!
「あいわかった。」
「ぼ、僕だって…寂しいんだからな…。」
え?今いまなんて!?
よく聞こえなかった!!え!?なに!?
「もいっかい。」
「!!ばっ…バカ!」
!?
なんで!?
「ほら!食堂行くぞ!!今日は僕の隣で食べるんだからな!!」
え!?いいの!?
そんなキラキラ輝いちゃってる人の隣で食べちゃってもいいの!?
ていうか田村くん悩みごと的なものはどうなったの!?
そんなわけで、綾部君が僕の隣を陣取ってしまったために、未来通り田村くんは僕のお向かいで嬉しそうにあじの開きを食べました。
僕としては田村くんが元気になっただけで十分嬉しいんですけど…なんだろうこのモヤッと感は…。
「よかったねぇ、三木。」
「全く、心配させおって。」
「うるさい滝夜叉丸。お前なんかに心配される筋合いなんてないぞ。」
「はぁ!?何を言うか!!貴様の様子が妙だからと心配してやったものを!!」
「はんっ!僕はそんなこと頼んでもいないわ!!」
「ねぇ剛、それ僕に頂戴。」
ん?お豆さん?いいよー。こないだも食べてたよね、
「好きなのか?」
「うん、剛大好き。」
!?
それでも僕は君の
あ、これってお友達になれたって思っちゃってもいいのかな!?