ネタめも | ナノ

Diary


 【覆面単車♀】 覆面ライダー4z夢



「どうしてスイッチを押さない?あんた、あたしの駒なんだろ?」

「いざとなると迷ってしまって。ごめんなさい鬼島さん」


轟々と風が吹く屋上で二人

「別に謝ってほしいわけじゃあないさ。側にいたいと言ったのはあんたの方だろう?あの時言ったことを忘れたわけじゃあるまい?」

一人は制服のジャケットから赤い法被を着た男子学生。手には畳んだ扇子。

「勿論です。なんならもう一度言って差し上げましょうか?
『私、鬼島さんが好きです。あなたが例の怪物ということも知ってます。どうか、私を駒として側においてください』」

一人は栗色の髪をした女子生徒。

「あたしの望みは十二使徒が揃うこと」
「それを叶えるため、まずは私が十二使徒になればいいんでしょう?」
「けどそれにはあのフォーゼが邪魔なんだなぁ」
「少し考えてることがあるんです」


***

「ジェイクくんで…合ってるかしら?」
「なんか用っすか?」
「この持ち主を探してほしいの」

彼女が差し出したのはロケットの形をしたぬいぐるみ。
ジェイクは一目で持ち主の予想がついた。学校にまでこんなものを持ってくるのは自他認める宇宙オタクの彼女しかいない。

「(ユウキさんのだな…)」

それにしてもどうして自分に尋ねるのだろう?忘れ物届けでもすればいいものを。

「ジェイクくんは情報通だって聞いたの。だから自分で探すより早く見つかるかなーって」
「そうっすか。俺何となく目星ついてるんで、渡しますよ」

どうせ放課後に仮面ライダー部へ行くんだし。そう思ってぬいぐるみを取ろうとするも、○はそれをひいて阻止し、伏し目がちに言った。

「ありがとうって…言ってもらいたいの」

なるほど、誉められたいのか。
ちょっと変わった人だけど大人しいし、あまり広い交友関係をもっていなさそうだ。

「じゃあいきましょっか」

***
「うわぁぁあ!!これ拾ってくれたの?ありがとー!!」
予想通り、いや予想以上にユウキは喜んでくれた。

「ど、どういたしまして。そんなに喜んでもらえるとは…思わなかったわ」
「あなた名前は?私ユウキ!」
「ユウキちゃんね。私は×○、よろしくね」

「俺は如月弦太郎だ!この学校の全員と仲良くなる男だ!!」
「聞いたことあるわ。転入生に時代錯誤の短ランとリーゼントの問題児がいるって。あなたのことだったの、よろしく」
「こっちは歌星健吾くん!」
「よ、よろしく」
「宜しくお願いしまーす」

何故いきなり自己紹介大会になっているのだろう、と朔田流星は思った。
しかしこの流れでは今度は勝手に自身の名前を紹介される。それもきっと弦太郎に。別になんら問題はないが癪にさわる。

「僕は朔田流星です。僕は昴星高校からの交換留学生で」
「よろしくね。それにしても隣のクラスだったなんて思いもしなかったなぁ。ジェイクくんには手間をかけさせちゃったかしら」
「そんなことないっすよ。ユウキさんにお礼言ってもらえてよかったっすね!」
「うん。ジェイクくんもありがとう」

にっこりと嬉しそうに笑う○。

「へー、隣のクラスなんだ!じゃあ今日のお昼一緒に食べよー!!」
「いいの?私、クラスに友だち一人しかいないから、女の子と仲良くなれるととっても嬉しい」
「お。友だちの友だちは友だちだ!そいつもこっちに連れてこいよ!」

意気揚々と言った弦太郎だったが、○は難色を示した。

「うーん、お昼はいつも部活の方に行っちゃうからなー。多分来れないと思うよ?」
「その人は何の部活に入ってるんですか?」
「落語部。あ、落語研究サークル…って言うのかな?」

○の一言で五人は一気に息を詰まらせる。
「落研!?」
「それってまさか…」
「お、おいその友だちって赤い法被の…?」
「そう、鬼島くん。皆知ってるの?」
「知ってるもなにも──」
「ジェイク、やめろ」
「…なに?どうかしたの?」

一人、彼らの突然の変わりようについていけない○。
しかしチャイムが鳴りそうだということでジェイクと二人、教室を後にした。

「ぅう…どうしよー…」
「まさか彼女もゾディアーツなんじゃあ…?」
「いや、そんなはずない。あいつは良い奴だ」
「そうだよね、アポロ15号をわざわざ届けてくれたんだもん…」
「(またそんな根拠の欠片もない理由で…)」


***
「ねぇねぇ、鬼島くんとは仲いいの?」
「いいと…思う。私口下手だから、鬼島くんと話してるとすごく楽しいんだ」
「そっかー」

「…」
「…」
「…」

シーンと無言になる場。
男子陣は勿論、ユウキは口を滑らさないようにと特にギクシャクしている。空気もあまり良くない。

「ゆ、ユウキちゃんは、宇宙好きなの?」
「好き好き、大好き!!将来は宇宙飛行士になりたいの!」
「宇宙飛行士かぁ!すごいなぁ」
「○ちゃんは?どんなことが好き?」
「私は星座に興味があるの」

ビシッ

「宇宙から見た星座ってどんなものかなーって」
「宇宙飛行士になったら乗せてあげるね!」
「ありがとう。楽しみにしてる」

キャッキャと騒ぐ向かいで黙々と箸を進める男子陣。
「星座って、そのー…星座占いとかですか?」
「ううん。星はね、未来を教えてくれるの。私はそれを読み取って、来るべき災厄を防ぎたいの」
「すっごぉぉおい!!」
「鬼島くんもね、それはとても面白い。って言ってくれたの」
「そ、そうなんだぁ…」




[ back ]

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -