「暇…」
アントーニョはトマト取りに行ってるし…ロヴィはさっきから寝てるし…。
私が行こうとしたら"一人で大丈夫やからシェリランは家で待っといてな"と言われてしまい仕方なく家にいた。
「ふそそそそー」
一人で呟いてみたが暇なのには変わりなかった。
隣で寝ているロヴィを抱き上げ膝の上に乗せた。
可愛いな…。
楽園みたいやんなあ…。
「可愛いな…」
思わず額に口づける。
可愛いんだもの。
すると物音がしたので後ろを振り返るとアントーニョがちょっと拗ねた表情で私を見ていた。
「アントーニョ…おかえり」
「シェリラン…ロヴィにキスしてたんや…」
「え…あ…」
気まずい空気が流れる…。
空気が重い。
ロヴィをソファーの上に乗せてアントーニョの所に行く。
涙目のアントーニョは私が来るのを見て目線を反らした。
私はアントーニョに抱き付いてみる。
「シェリラン…」
「ごめん…」
とりあえず謝ってみた。
アントーニョは…。
そう言えば最近ずっとロヴィばっかりに構っていた気がする。
「……………シェリランは俺のこと嫌いなん?」
「違うよ」
「最近ロヴィばっかりやん」
「ん…ごめんね」
やっぱり図星だった。
私は腕の力を少し強める。
アントーニョは私を見ながらこう言った。
「俺にも…キスしたって?」
「うん」
私は躊躇いなくアントーニョの唇に自分のそれを当てる。
私と彼の顔が赤くなった。
唇を離すとアントーニョは口を開いた。
「シェリラン、ロヴィばっかりやなくて…」
「わかってるよ。私はアントーニョが一番好き、いや…愛してます」
照れ臭くなってアントーニョの胸に顔を埋めると頭を撫でられた。
「俺もシェリランを一番愛してるからな…」
親分にも構ったって
(2人がイチャつくから寂しいんだぞコノヤロー)
(ロヴィ、こっちおいでや)
(ロヴィ、おいで)
(さ、寂しくなんかないんだぜチキショー)
fin
前サイトの短編を持ってきた。
読み返すのが怖いですはわわわ!
これが私の初めてサイトに上げた夢小説である(笑)
10 1207 しぇりんがる