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  拝啓相棒、会いに行きます





僕は中学に上がり、それと同時に神奈川に帰ってきた。

若やお祖母様たちに、日吉家かそこの近所に住むよう再三言われたが、僕はそれを断った。

雅輝は生まれた時から日吉家にいるも同然なのだから、残りんしゃい、と言ったが、それを言った翌日。


「どーだ兄貴っ!見たか!」


何がさ、我が弟よ。

ふざけてんのかその髪は。


「兄貴と同じ銀色だぜ!脱色したんだ」

『おまん、それ……』


苛められるぜよ、

と言おうとしたが。


「俺は兄貴が大好きだ!髪も目も綺麗だと思う。誰が何と言おうと俺は兄貴についていく!」

「くっ……羨ま、じゃない…兄さんの迷惑がかかるかもっ」

『別に俺はえぇんじゃが…』

「!?」

若は見るからにウズウズとしていて、俺も行く、と言いたげだった。

だが、日吉家の直系である若が血も繋がらない僕についてくるのは無理がある。

それに若は……氷帝にいなくちゃ。


『極力会いに行くぜよ。電話も手紙もいっぱいする』

「兄さんっ……」

『携帯買ったらメールもする。俺の方にもいつ会いに来たってええ』

「…はいっ」

『ほんじゃ、雅輝。荷物まとめて…「できてるぜ!」…ほーか』



そして、僕は神奈川に帰ってきた。



高層マンションの一室を買い取り、家具も揃えた。

もちろん僕はいいと断ったのだが、お祖母様たちは12歳児に管理させるには有り余るほどの軍資金(笑)をくれた。

あの女?さあ、どうなったんだろ?


まぁいいよ。僕の知った事じゃない。


ベランダに出れば生ぬるい風が吹き、潮の香りが混ざるそれを吸い込んだ。

あぁ、帰ってきた。




君はまだここにいるんだね…比呂士。

君は僕のパートナー。

片割れと言っていいほどの相棒だ。

君が近くにいるのを、感じる。




……早く早く、逢いたいよ。






『あぁ…亮達に中学別だって言うの忘れてた。ま、いっか…』


どうせあの三人もテニス部に入るんだろう。

僕がテニスやってるって言ったらあの三人も、若もやり始めた。

みんな可愛かったなぁー。

ってそうじゃなく。

テニス部に入るなら大会かなんかで会えるだろう。

みんな結構強いみたいだから関東くらいくるんじゃない?


それよりも目下の目標は、



片割れに逢うこと。





どくんどくん、と脈打ち始める心音に身を任せて



僕は目を閉じた







拝啓相棒、会いに行きます
(……比呂士)
(白銀さん……)




…………………

次回にいよいよ再会です!

誤字修整しました。ご報告ありがとうございました!


 

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