毒を食らわば皿まで
ぴぴぴっとケータイから着信音が鳴った。
『「はいはーい」「大好きな弟に会うため空の上にいるミソギちゃんでーす」』
「ふぅん。大好きな兄のために働く気ない?」
まさかのイルミ兄さんからだった。ろくに画面を見ないで電話に出る癖をなんとかした方がいいな。心臓が止まるかと思った。
『「そりゃもちろん」「兄さんが望むならなんだってしてあげるけど」「僕なんかに出来ること、ある?」』
「次の仕事でちょっとね。難しくはないけど人手がいる。カルトは別件で動いているから、ミソギに頼みたいんだけど」
要はお手伝いか。人殺しのお手伝いとかレベルが高すぎるけども。
迫ってくる標的。
練り上げたオーラを手のひらに集め、そちらに向けて集中する。
よし、いけるな。
「───終幕卸し(エンドロール)」
「がふっ……!?ぐ、ぁ、あぁああッ!」
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