×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



  必ず、お前を(仁王side)


「ま、待ちんしゃい!」

『…あ゙?』

「女じゃろ、その視線はヤバいなり」

『ほっとけよ。…ヤベ、キャラが』

「…キャラ作ってたんか」



俺はそいつを呼び止めた。

先ほどの刺々しい雰囲気はそのままに、殺気だけは引っ込めてある。


驚いた、女子にこんなあからさまな敵意を向けられたことはない。

初対面では、特に。

適当に付き合って適当にふって、それで散々罵倒された覚えはある。


…が



『離してくれませんかねー叫びますよー?』

「やってみんしゃ『キャー助けてェェェエ!!!』ちょっ!?」


突然そいつは大声を上げた。

しかも地声ではない。甲高い、正しくミーハーの奴らのような声色だ。


俺は驚いてそいつの手を離してしまった。とたん、ドアに向かって俺でも追いつけんくらいのスピードで走り、そのまま去っていった。




「あ…ここ旧校舎じゃった…か」



やられた。

近くに人がいないことくらい、ちょっと考えれば分かること。

ただの脅しだと思っていたのに本当に声を上げられ、しかも声色は違う。

たくさんのことに驚きすぎて頭が動かなかった。



…あいつはそれも見越していたか…?




「くくくっ…」


面白い


「手に入れちゃる」


何て、甘美な玩具だろう?


「絶対に…」


この手で、お前を捕まえる…!





「さぁて、まずは正体を掴まんとな…」




詐欺師は彼女に目をつけた。


だがしかし、


彼女は簡単には捕まらない


(あーあーメンドくさい人だったー)
(ま、あの程度なんて事ないですけど)




………………

たかが一般人の仁王が彼女を捕まえられるワケ無いのです!




prev 

[back]