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  読んで字の如く先祖返り


私の名前はジュリアーナ。

いや、今は違うな。改名をしたんだ。


ジュリアーナ・ボンゴレ改め、沢田鶴姫。


金髪碧眼のいかにも外国人な私には似合わないかも知れないな。

みんなは良いんじゃないかって言ってくれたけど(たぶんどうでも良かったんだろ思うけど)Gだけは似合わないってさ。

ボンゴレファミリーという自警団…もといマフィアを結成し、大切な町を守り生きてきた私は裏社会から足を洗った。

雨の守護者だった雨月の故郷、日本に隠居して早五年。

大好きなファミリーたちも一緒にな!

「嘘言うんじゃねぇよ。デイモンは来なかったろーが」

『し、知るか!あんな裏切り者っ!』

「オイオイ…隠居について来なかっただけで裏切り者にすんじゃねぇよ」

『だってアイツぅうう!私よりもイーラ(U世)を優先したんだぞ!?』

「人それぞれ生き方があんだろ!几帳面なイーラが本当に裏切り者に認定したらどうすんだよ」

『後世まで語り継がれればいい…』

「裏切り者として!?」


さっきから鋭い言動(雨月たちはツッコミって言ってた。なにそれ?)のコイツは相棒のG。

紅蓮に燃える炎のような赤髪に派手な顔面刺青。

カッコいいだろ!私の相棒で家族で旦那だぞ!


「さっきから…独り言か?寂しいぞジーナ」

『ん?どれだけ私のGがカッコいいが話してた!』

「バッ…!!」


そう、隠居して私はGと婚姻した。

最初はいかにも外国人な私たちを警戒していた民主も、いちゃいちゃラブラブしてる私たちを見て警戒を解いたよう。

いちゃいちゃっていうか…迷子防止だったり買い食いし過ぎ防止だったりするんだけど。

ジャッポネーゼはスキンシップが少なすぎる!

キスやハグは挨拶なのに!

って雨月に訴えたらゴウニイリテハゴウニシタガエ?とかいうことわざを教えられた。

こんなほわほわと生活している私だが、実は子供もいたりする。

名前は吉宗!
とても可愛いんだぞ!

私はとても幸せだ。

幸せで幸せで、怖いくらいに幸せで。



コザァート達も、幸せに暮らしているだろうか?

二度と会うことはない、けれど絆は繋がっていると誓い合った親友。


青い蒼い、その親友が君のようだと例えた大空を見上げた。












そして私はひっそりと穏やかに過ごし、天寿を全うした。

息子にその妻に、孫に守護者に囲まれて。

先に逝ってしまった相棒に、今行くぞ、と呟いて。


静かに、何の心残りもなく瞳を閉じた。





…筈なのだが。






『おぎゃぁ!おぎゃあぁあああ!』

「お母さん!元気な娘さんですよ!!」


暗い、狭い、何か生暖かい

微睡むような意識の中でそう思った私は、何でここにいるんだっけ…と思ってすぐに思い出した。


あれ、私死んだよね?

40そこそこ、病気ではなく老衰で。
40くらいで老衰?と思うだろうが、医療も未熟で何より若い頃から無理をさせ続けたこの体。

寿命が縮まっていて当然だ。


だというのに、ここは何なんだ?天国?地獄?

あの世って光ないのか?
神様はこの世は光あれと言って作ったくせにあの世に光はくれなかったのか?


ってゆーか狭い狭い狭い!何かどんどん狭くなって…え?なんか動いてない!?

痛い!頭割れる!
もっと馬鹿になったらどうするんだ!Gやアルやデイモンに怒られるだろう!

ん?なんか眩し…っ!


…そして上記へ。


私の口から漏れたのは馬鹿になる!というセリフではない、言葉ですらない泣き声…鳴き声?だった。

自分の意志では止められない。

打って変わってとても寒いし、体は持ち上げられていてふわふわ覚束ない。

でも、まだ開いても見ることができない視界の向こうで、お母さんと呼ばれた人が私を抱くのがわかった。


「可愛い…私とあの人の子…」

「綺麗な髪と瞳ですね…茶髪はお母さん似ですかね?」

「ええ、そうかもしれないわ。でも…瞳は誰に似たのかしら?綺麗な空色だわ」

「親族の方に似たのかもしれませんね。ほら、隔世遺伝ですよ」


茶髪?私の髪は金色だ。
瞳は…そう、空色だが、隔世遺伝とはどういうことだ?

泣き声、お母さん、娘さん、遺伝…まさか。


まさか、私は、



「貴女の名前は沢田初姫よ。可愛い可愛い、私のうーちゃん。」




……転生、したのか?




何か生まれ変わっちゃった
(あれ、名字が変わってないぞ?)
(ひょっとして自分の子孫!?)

 

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