ゾルディック家の禊ちゃん
狩人世界に転生した目箱の球磨川禊の話。
成り代わり♀で目箱も狩人も原作知識あり。
嫌われ要素があるのでゾルディック好きさんは注意！
僕の家は暗殺一家だ。
人間の何倍もあるデカい番犬に、たくさんのメイドや執事、広大というか樹海の庭、迷路のように広い屋敷。
拷問の訓練は死ぬほどやった。
誰も気づいていないけど何回か死んだ。
もちろん安心院さんに生き返らせてもらったけど。
僕はゾルディック家の長女で、５つ上にイルミ兄さん、双子の弟のミルキ、７つ下のキルア、さらに下にはアルカとカルトがいる。
とてもラブラブなお父さんとお母さん、ゼノじいちゃんにマハひいじいちゃん。
執事のツボネ、ゴトー、ミツバ、ハサムたち。
たくさんの人が生活しているこの家で、
バシィィイイイン!!!
「…この程度の鞭で顔歪めるなよ。弱いな」
僕は誰より嫌われて誰より疎まれて誰より虐げられて誰より憎まれて誰より蔑まれて誰より嘲られて
家族だとも思われていないんだろう。
すぐに怪我が治るのが気持ち悪い。だから大嘘憑きで治すのはやめた。
いつもニコニコしていて気持ち悪い。だから無表情になるように努めた。
意味不明な行動が気持ち悪い。だから命じられたことしかしなかった。
カッコつけた言動が気持ち悪い。だからカッコつけるのをやめた。
存在が気持ち悪い。だから僕は、
大好きなイルミ兄さんは何倍もの訓練を僕に課した。
大好きなお父さんは怪我をするたびにゴミを見るような目で僕を見た。
大好きなお母さんは僕に見向きもしなかった。
大好きな執事たちは僕が近寄るたびに張り付けた笑顔を見せた。
僕を好いてくれるのはたった四人だった。
ミルキとキルアとアルカとカルト。
死ぬほど大好きな弟たち。
大好きだった。
ミルキと一緒にお菓子を食べて、キルアと一緒にゲームをして、アルカと一緒に砂遊びをして、カルトと一緒にお散歩をした。
大好きだった。
どれだけ嫌われても、僕は家族が大好きだった。
前世ではなかったたくさんの家族。
大好きで、だから、幸せになってほしくて、
「あいつはいらん…どうするか…」
「そうね。あれは役に立たないわ」
「俺が殺そうか？」
だから、僕がいて不幸になるなら、僕はいらないと思った。
いつもの厳しすぎるイルミ兄さんの訓練。
瀕死の重傷を負った僕は、いつものようにそれを治さなかった。
曲がった気道からひゅうひゅうと息が漏れた｡
右目は潰れて血が流れていたし、肌は白いところがないくらい痣だらけで、指の骨は全て折れて、両足の健は斬られていた。
ゾルディック家の中にある医務室に運ばれたことを聞きつけて、弟たちがやってきた。
僕に縋りつくようにして心配そうな目を向けてくる。
ああ、大好きだなぁ。
熱のない目を向けてくるイルミ兄さんも、大好きだよ。
「…何じゃ、だいぶ酷くやったのうイルミ」
「こいつ、すぐに治るから問題ないでしょ」
安心してよ、イルミ兄さん。
もう、
『なぉ…さ……ない…』
「姉ちゃんっ!?起きたの!?」
『も…治さない……このまま、』
死ぬよ。
潰れかけた喉から出た声は、届いたかな。
イルミ兄さんは元々大きな猫目をさらに見開いて、ゼノじいちゃんはじっと静かに僕を見てた。弟たちは喚いていた。
『キル、アル、泣かないで…カルは泣いてないんだから』
たぶん、カルは何が起こってるか分からないからだろうけど
『ミル、みんなをよろしくね…』
「馬鹿！俺だけでこいつら面倒見きれるかよ！」
なんだよーそのおなかの肉は何のために付いてるんだよ、みんなと遊ぶためでしょ？なーんて
最後くらいはカッコつけさせて、
『｢一度で良いから｣』
最後くらいは、我が侭を、
『｢お父さんとお母さんとじいちゃんと兄さんに｣』
言わせてね
『｢愛されたかったな……｣』
もう、生きなくていいや。
ミソギ＝ゾルディック
享年12歳
………………………………………
もちろんしばらくしてから生き返りますけどね。
ゾルディック家の記憶はなかったことにしてるから自分の出生が分からない。
誰にも気づかれずに生き返って外で暮らして幻影旅団とマブダチになったりして自由気ままに過負荷生活！
ハンター試験で弟たちと再会しても｢え？君だれ？｣って感じ。
シルバ達はミソギを虐げていたことを死ぬほど後悔してると思う。
でも本人覚えてねーよっていうね。
私はゾルディック家をどうしたいんだろうね。
実は覚えてて忘れたふりしてるとかでもいいな！
最終的にオチは誰なんだろうね。クラピカかな。
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