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  鈴屋班の逆行と未来改変奮闘記


鈴屋女体化、半兵衛オチ予定。
鈴屋班の捏造あり、原作改変あり。

鈴屋什造。本名は玲奈。
天使のような容姿にバッテンのピン留め。髪は長く、昔は伸ばしっぱなしだったが半兵衛が部下になってからは結ってもらっている。
鈴屋班を家族のように大切にしているしされている。階級は上だが末っ子扱い。
身長は150センチ体重39キロ。割と食べるしお菓子も馬鹿食いするのに体重に変化がない。
特等捜査官へ昇進した翌日に幼少期にタイムスリップした上に女になっていた。


阿原半兵衛
鈴屋の右腕的存在でありたい部下。しかし世話を焼きすぎてもはや嫁。恋愛感情は自覚なしだがある模様。

半井恵仁
副班長なのに阿原が右腕でちょっと不満。しかし阿原ほど適確に世話できないため阿原にきつく当たり気味。鈴屋はみんなの天使。

御影三幸
オカルト、風水好き。少し妄想が暴走することがあるが基本的に冷静。鈴屋はみんなの天使。

環水郎
阿原と仲がいい。粗雑で書類仕事が苦手だが戦闘はなかなか強い。割と貢ぐ方。鈴屋は俺の天使と言っては〆られる。








鈴屋什造が特等捜査官に就任した夜。
鈴屋班数名も昇格し、班員全員で祝賀会をやっていた。
御影はほぼ下戸でそうそうに半井に潰され、今は掘りごたつのテーブルの下に転がされている。
半井の次のターゲットは水郎だが、彼は酒になかなか強いためもはや飲み比べになっている。
阿原は自らはほとんど飲まず、鈴屋が好むつまみを注文してはせっせと取り分けて食べさせ、飲み物がなくなればいち早く追加注文している。鈴屋自身は甘いリキュールを好み、大変なザルであるためどんどん飲んでいる。

貸し切った個室には小さいがバルコニーがある。ようやく少し酔いが回ってきた鈴屋は都会の光で薄まった夜空の下に出た。当然のように後ろには阿原が付き従う。

「酔ってしまわれましたか、鈴屋先輩。お水をお持ちしましょうか?」
『ちょっぴり酔っちゃいましたけどまだまだ大丈夫です』

手すりを掴んで身軽にひょいっと乗り上げる。隣に移動した阿原と少し目線が近づいた。

「改めまして…特等への昇進、おめでとうございます」
『はーい。半兵衛も一等昇進おめでとーです』
「鈴屋先輩のおかげですよ。貴方の部下であったから五体満足でここまでくることができました」
『昔の半兵衛は超ダメ野郎でしたからね』
「お恥ずかしい限りで…」

あの頃の自分は本当に情けなかった。パートナーがこの若き天才でなければあっという間に喰種の餌になっていたに違いない。
階級を一つ上げたと思えば、すぐ彼も昇進してしまい、自分と彼の距離は縮まることを知らない。
憧れることしかできなかった昔とは違うのに、どこまでも彼は強く、凛々しく、遠いままだ。

『半兵衛もすこーしは強くなりましたね』
「お陰様で」

けれど、彼がこうして自分を認めてくれるようになったことは、大きな進歩だった。

『お星さまはあんまり見えないですねー』
「都会ですから…光の影響でしょう」

空を仰いだ鈴屋はそれきり沈黙した。
いつも表情豊かで思ったことが素直に口に出る彼には珍しい。

『特等、ですか』

小さなその呟きに、阿原はハッとする。
特等捜査官という地位は、かつてのパートナー篠原特等と同じ地位だった。

『追いついちゃいましたね』

阿原が思い至ったことを察したのだろう、鈴屋は阿原のほうを向いてそう言った。

その表情は誇らしさと喜びと、少しの寂しさを滲ませていた。

直接会ったことはない篠原幸紀という人物は、鈴屋の先生であり、パートナーであり、そして父のような存在であったという。
彼が意識を持ったまま今ここにいれば、鈴屋に対してどんな言葉を贈っただろう。

『…篠原さん、褒めてくれるかな』

垂れてきた前髪が目を覆ってしまった鈴屋は、まるで涙を隠しているようだった。
きっと褒めてくれますよ。その一言は言えなかった。そんな軽々しいことを言えるはずがなかった。



褒めてくれるかな。褒めてほしいな。

頭を撫でて、肩を叩いて、

「よくやった」っていってほしい。



言葉にならない気持ちが溢れて止まらなかった。
今くらいの力が、あの時の自分にあったら。
部下や他の班とも連携が取れるようになった自分であったなら。

きっと、彼は、



そう思った直後、鈴屋の意識は途切れた。





「什造ちゃぁん?お遊戯の時間よぉ」

酷く聞き覚えのある声で目が覚めた。石でできた冷たい床の上で手足を丸めて眠っていたらしく起き上がると手足が少し動かしづらい。
自分を起こす人物など、今では阿原以外にはいない。しかし先ほどの声は阿原の低く落ち着いた声とは似ても似つかない。
金属をこすり合わせたような不自然な高さを持つその声を、鈴屋は知っていた。

『マ…マ……?』
「そうよ、ママよぉ!お洋服をお着替えしましょうねぇ?」
『ママ…どうして、だって』
「どうして?ママの可愛い什造ちゃんをママが着替えさせてあげるのはいつものことでしょう?」

ビッグマダムこと、鈴屋の育て親の喰種は先日のオークション掃討作戦で討伐した。何を隠そうその討伐を行ったのは鈴屋率いる鈴屋班。生きているはずがない。

何故目の間に、と疑問が渦巻く中で服が脱がされていく。そしてまさに人形のようにされるがまま、フリルがたくさんついたドレスを着せられた。
自分の腕に目を落とすと、不思議なことに気がついた。

細すぎる。

もともと骨太とは程遠い体躯だったが、これは異常だ。アカデミーに入ってからは栄養管理がしっかりされていたため平均まではいかないものの、それなりの筋力がついていたはず。

「ほぉら、今日も可愛いわよぉ私の什造ちゃん!」

鏡に映った自分は、細く、小さく、そして幼い。




鈴屋什造は、幼少の頃に戻っていた。
周りの環境も、自身の体も、何もかもが昔に戻っていた。



……………………………………………
まだ体が女になっていることに気が付かない。
鈴屋班も逆行しているが、戻った年代はまちまち。
でも鈴屋が捜査官になったころには全員揃っている(配属はバラバラ)
そして鈴屋班全員で篠原の救済(あと亜門と滝澤)作戦に取り掛かるのだった…!長い。

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