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  遊真姉が転生して三輪の幼なじみになる


遊真の姉がサイドエフェクトで転生トリップして三輪の幼馴染になる話。

空閑風璃(クガ・フーリ)
元々は黒髪のサイドテールだったがこちら側では遊真と同じ白髪。
年齢は25歳。体はトリオンのため成長しない。
特殊な黒トリガーを使っているが、基本的には周囲に隠している。
瞳の色は青。心臓部に大穴の傷跡がある。

海原紫苑(ウナバラシオン)
焦げ茶色のセミロング。下ろしている。
年齢は三輪と同い年。瞳の色は青。心臓部に大穴のような痣がある。
病弱で幼いころから通院している。長時間の運動はできないがトリオン能力は高い。

近界にいたころ、父の死後2人で支え合い生きていたが、とある戦地で遊真を庇って瀕死になる。遊真が父の黒トリガーを使って体の再生を試みるが肝心の心臓が構築できず死亡。
所持するサイドエフェクトは「転生(リンカーネイション)」
転生先は選べないが多少は時間の融通が利く。しかし無理をすれば転生後の体に影響が出る。
こちら側に来た衝撃で近界での記憶がない。さらに時間軸を歪めて転生したため体が弱い。
転生後の前世の記憶は保証されていない。しかし黒トリガーを発動させた瞬間に記憶が戻るようになっている。

黒トリガー:舞閃(まいせん)
普段はピアス。キューブ型。
形状は固定されておらず、影のように動かせる。大きな扇か鎌の形になっていることが多い。
自在に変形するため近中距離戦を得意とする。
対象にかすり傷程度でも負わせればそこから傷が広がり致命傷となる能力を有している。
何代か前の主人公が自分で作り出した黒トリガー。発動できるのは本人のみ。

A級3位風間隊所属のアタッカー。国近と親友。割とゲーマーだけど得意ではない。成績は良い方。S級になってからは単独で任務にあたっている。


以下、空閑風莉の最期と海原紫苑の日常。






あちらこちらから爆発音がする。
人々の悲鳴と怒号が混じり、この世で最も不快な音楽を奏でているようだ。

その粉塵の中、夥しい血の爆心地にいる人影があった。

『レプリカ。私の肉体が消滅したら、私のトリオン機関を体内に取り込んで。間違っても敵に奪われないように』
「…了解した」
「フウ姉!そんなこというな!俺が今すぐ体をトリオンで再生するから…っ」

黒い指輪にトリオンを注ぎ込む遊真に、風莉はゆるく首を振る。黒から白へ変貌した髪がそれに合わせて揺れた。

『遊馬、覚えていて。私はこの記憶がどうなるか…分からない。けれど、貴方は覚えていて。』
「フウ姉…っ」

胸にぽかりと大穴が空いたまま、無理やり体を動かして両耳につくキューブ型のピアスをとる。そしてそれを遊真の両耳に填めた。

『"私"の黒トリガーを発動できる人間。それが新しい私よ。忘れないで、"私"の黒トリガーは私にしか扱えない。それが、目印になる』
「でも…転生先は分からないんだろっ?何年かかるかだって!俺、フウ姉を見つけられるか…」
『ある程度の制御はできるわ。何十年も付き合ってきたサイドエフェクトだもの…無理をしてでも遊馬と重なる年齢として生まれ直すわ。時間軸を歪めて』
「風璃、大丈夫なのか?そんなことをしたら体にどんな影響があるか分からないだろう」

傍に浮かぶトリオン兵、レプリカに向かって彼女は言い切った。死にゆく身とは思えないほどの力を目に宿しながら


『いいのよ。私は何を犠牲にしても遊真と共に生きる。貴方1人を残して逝けないわ』


体から力が抜けていく。自分よりも一回り大きな風莉の体を抱え、遊真は叫んだ。

「フウ姉、やだ、死ぬな!」
『遊馬、これは、私がよわかったから…まねいた、けっかよ……』

そう。
守る力もないくせに、守りたいものを作ってしまった自分の弱さのせい。




『必ず、貴方のところへ帰ってくるわ』




途切れ途切れになる声色が、不思議と明瞭になった。
最期の言葉。ただそれだけが深く遊馬の記憶に焼き付けられる。

"忘れないで"

透き通った声が脳内に響いた。




朝、ベッドの上で目を覚ました。
私の声色、私の口調で知らない誰かと話していた。
あれは私なのだろうか。だとしたら一体誰と話しているのだろう。

『…おはよう、秀次』
「紫苑。おはよう」
『今日、私は遅番なのだけれど。秀次は?』
「俺の隊は特に。8時には迎えに行く」
『別にいいわよ、トリガーもあるし警戒区域から家まではそこまで離れてないわ』
「ダメだ。何があるかわからないだろう。近界民が襲ってくるかもしれない」
『…本当に、貴方は心配性ね。大丈夫よ、私は必ず』


必ず、貴方のところへ帰ってくるわ。


それは、誰かの言葉。


……………………
風莉の前はアフトクラトルでヴィザ翁の幼馴染だったこともあるかもしれない。
血筋的にヒュースの親族だったら楽しい。

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