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  大空が生まれた日


暖かい…ここは、どこ…?

天国?地獄?それとも骸が言っていた六道輪廻?



暗い…何も見えない。

?あれ…光だ。

一点から光が見える。俺は、それに引きずられていった。








『おぎゃあー!!』


おぎゃあって何だよ!この年になって恥ずかしっ!

え?手足動かない…っていうか言葉喋れない!?



混乱のまま泣き続けていると、突然ふわりと体が浮き上がった。
そして柔らかい…おそらくタオルに包まれる。


「幸村さん!可愛い女の子ですよ!」


上から降ってくる大きな声。女の人のものだった。
お、女の子ってなんのこと!俺、男なんだけど!?


「あぁ…可愛い、私の子…」

母さんとは違う声…でも、よく似た雰囲気の優しい声。
目がよく見えないけどぼんやりと輪郭だけはわかる。藍色の髪を持った女性みたいだ。


「精市、見て?貴方の妹よ…」

「いもうと?」


舌足らずな声が聞こえた。
精市、ということは…男の子だろうか。俺が妹…?


ひょいっ、と影が出来る。

覗き込んできたのは…


「…いもうと」

女性と同じ藍色がレースのカーテンを重ねたような視界に映る。
声色は高めだが女の子にしては低い、と思う。


「め、きれい…オレンジいろ」

「あら、ホントね。誰に似たのかしら…綺麗」


オレンジ色?俺の目、オレンジ色のままなんだね。
俺はまだ、沢田綱吉としてのものが残っているんだ…



何度も俺を助けてくれた、何度も仲間を守ってくれた超直感が言う。

俺はもう、沢田綱吉ではないのだと。



「精市、今日からお兄ちゃんよ。頑張って市華を守ってあげてね」

「わかった!俺が市華を守るよ!」


市華?それって俺の名前?

そりゃあ女の子で綱吉はないと思っていたけど、綱吉なんて男以外の何物でもない名前からいきなりそんな可愛い名前になっても焦るなぁ…






どうやら、俺の名前は幸村市華。

兄の名前は幸村精市。

性別は、女です。







…転生したようです。


 

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