花輪 ※妖怪ネタ?捏造一杯
ふわりと吹いた風が、あいつの出てくる合図。「やあ、雷蔵」狐の面をつけたそいつが言った。「こんにちは、三郎」三郎は、僕の前では決して面をとろうとはせず、それでも表情は何故か伝わってくるもので。だからこそいつもヘラヘラしている三郎が、今日に限ってどこか寂しそうなのが気に食わない。まるで、僕らの別れを。「友達がたくさん出来たようだね」「そりゃあ、僕ももう二年生だもの」「じゃあ、もう、大丈夫だ」ふわりと風が吹いて、振り向けば奴がいた其処には面と小さな花輪が在った。それから数日、先生が連れてきた転入生の顔は驚くほど僕にそっくりで。悪戯っぽく笑った。「はじめまして、鉢屋三郎です」そして朽ちた花輪は僕の傍らに。
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