口づける





「ぐ、…ぅ」
「………ん…、ふ」


勢いよく彼女の白い肩口に噛みつく。
するといつものように身をよじり抵抗された。


「やめ、…ッ」
「ちょっと、動かないでよ…
それとももっと痛くされたいわけ?」
「ッう…は、」
「じっとしてればすぐ終わるだろ…?」
「そう言って…黙ってるとでも?」


…面倒、
でも止めようとは思わない。


「言うこと聞かないと………痛い目に遭うよ」
「っく、あ」
「痛い?そうだろうね」


リアの白い腹側の皮膚に薄くナイフを滑らせる。
するとすぐに皮膚は裂け、鮮やかな紅い線が映えた。
綺麗、だった


「……ん」
「、ふ」
「…、………感じてる?」
「!」


その線をなぞるように舌を這わせると、少しだけ彼女の身体が痙攣した気がした。
…こういうとき、俺はリアを独り占め出来た様な気になる


「、んッ…は」
「ひっ…ぁ」
「…気持ちいいの?そんなイイ表情してさ…」
「ちが…」


彼女の目は扇情的に潤み、眉根は寄せられている。
そして息をするために薄く開かれた紅い唇。
全てが俺を感じて、反応している。
そう考えると酷く愛しく思えてきた。


「リア…」
「!…え…名前、」
「…ふっ……ん、」
「ん…!」


俺は彼女の唇に自分の唇を重ねた。
心地が良かった。
柔らかくて、暖かい
俺は狂ったように彼女の唇を求め、深く口付けた。


「っは……ふ、ん、」
「あ…はぁ、…むっ」


歯列をなぞり口内を荒らし舌を絡めとる。
このまま、彼女の全てを味わっていたかった。
だがどうにも人間というのは面倒な生き物で、思っていたよりも早く苦しさに限界が来てしまった。


「…っ…はぁ、」
「ん、はぁっ…はぁ、は…」


両方が肩を上下させ荒く息を整える。
俺は至近距離でリアを見詰めた。


「ねぇ、…俺の名前は、…?」
「は……シュウ、」
「、……ん…」
「ん、ぅ、」


リアは俺の名前を呟き、同じ様に目を合わせた。
再び唇を食み、舐め、合わせていく。
今はただ、彼女を感じていたかった。


他の奴のになる前に、俺のものになってよ






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