「わ〜大きいね〜!」
「…このセリフで始まると心臓に悪いな…」
「もう、志波くんが高い所苦手なの分かってるってば」
「ああ、そうなんだが始めに油断させておいて次に持ってきたのかと…」
「志波くんのお祝いの為に来てるのにそんな事するわけないでしょ!……今から空中庭園行こうか」
「お、おい待て、さっきのは冗談だ」
「分かってるよ、こっちも冗談だって。あ、ほらまた回ってきたよ、大きい〜」
![](//static.nanos.jp/upload/s/salmontblanc/mtr/0/0/20091120015908.gif)
「ジンベイザメか…でかいな」
「可愛いよね〜」
「こんなにでかくてもか?」
「うん、あ、もちろん志波くんも可愛いよ」
「…喜ぶべきなのか?」
「でも志波くんはやっぱりかっこいい、かな。あ、また回ってきた〜」
「……さらっと言うな…」
「そういえば志波くんいろんな動物達に好かれるけど、お魚さんにはどうなんだろう?」
「さすがに魚まではないだろ」
「でも心なしかわたし達の前を通るときだけゆっくりな気が…」
「気のせいだろ、ほら次行くぞ」
「うん。…あ、なんだかすごい悲しそうな顔したように見える…ごめんねサメさん、志波くん連れてっちゃうね」
「…誰と話してるんだおまえは…」
「だいたい一通り回ったか」
「は〜可愛かったし楽しかった〜」
「どうする、そろそろ帰るか?」
「う〜ん…せっかくの志波くんお祝い企画なのにこれじゃあ普段のデートと変わらないよね…」
「オレはおまえといられるだけで十分満足だがな。…そういや高校の時なんてこうやっておまえと出かける事を…デートって呼ばれるだけで喜んでたな…我ながら単純だった」
「え、そうだったの?全然知らなかった」
「当たり前だ、言ってない」
「志波くんいつも何も言わないからあの頃は誘っていいのか不安だったんだよね…去年の企画もみんなが考えてくれたっていう理由で押し通した感じがするし」
「そうか…でもオレの方から誘った時もあっただろ?」
「誘ってくれた時は気まぐれとかなのかなぁって思ってた」
「気まぐれなんかで誘うかよ…どれだけ緊張してたかなんておまえには分かんないだろうな」
「そうだったんだ……えへへ…ねぇ、いつからわたしの事…その…」
「……秘密」
「む〜教えてくれてもいいじゃない」
「…じゃあおまえは?」
「え?」
「おまえが言ったら教えてやる」
「えっと…それは…」
「それは?」
「〜〜分かんないよ!気付いたらいっつも志波くんの事考えてたんだもん!」
「……だからそういう事さらっと言うな…」
「志波くん…?」
「我慢、できなくなるだろ…」
「あ……」
![](//static.nanos.jp/upload/s/salmontblanc/mtr/0/0/20091120015923.jpg)
「ねーねー!あのお姉ちゃん達何してるのー?」
「しっ、邪魔しないの!行くわよ」
「「………」」
「か、帰るか……」
「…う、うん!」