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おかえりなさい(ヤマさんより)


※名前変換皆無です。



豊臣軍が此度の戦も勝利したとの知らせが、大坂城にいる私のもとへ届いた。



遅れて、我が夫も無事であるということも。

戦を終えたら必ず届くその結果と報告に、毎度の如く胸を撫 で下ろしていると、それらを知らせてくれた忍が微笑ましいとでも言うかのように笑う気配がした。

人前であったにも関わらず、そうして気の抜けたところを出 してしまうのは武士の妻にあっては為らぬことだと、慌てて忍にもう下がってもいいと伝えると、命通りに姿を消す。

それを見届けてからまた胸を撫で下ろし、安堵から笑みを溢した。



あのお方が、無事に帰ってくる。



戦の旅に受けている知らせだが、例えこれから何度とその知らせを受けても、こうして安堵してしまうのだろう。

夫が豊臣軍の中でも群を抜いて強いことも、約束を違えぬ人であるということを分かっていてもこうして胸を撫で下ろしてしまうのだ。


「誰か、いませんか」


そしてその知らせを受けたら私は毎度の如く、先ず始めに湯殿の準備と着替え、そして夫を出迎える準備を始める。

侍女に湯殿の手配を頼み、戦装束から着替えるための着物を 用意し(なるべく戦装束とは違う色合いの物を選ぶことで、戦の時と気分を変えられ、城に帰ってきたのだと実感してもら えるような心配りをしなけらばならない)、後は宴の準備もと、城の侍女達を総動員させて準備をするのだ。

そうして準備を終えると、後は皆で城の入場門にて夫達の帰りを待つだけ。

「奥方様、御髪が乱れております」

「あら……悪いのだけど、直してもらえるかしら?」

「畏まりました――これで大丈夫でございます」

「ありがとう」

侍女達と互いに、己の服装等がおかしくはないか念入りに確認をし、ひたすらその時を待つ。

この時はいつも、戦の知らせを待っているときより緊張して、体が固くなってしまう。

それでもなるべく自然に夫を出迎えることが出来るようその緊張を押し隠し、緊張を紛らすように侍女達と細やかな世間話をしながら待っていた、その時。

「奥方様、お帰りになられました!」

本来ならば見張りの兵が立つ物見台に、見張りの兵を押し退 けて上がっていた侍女達の一人が、こちらに向かってそう声をあげる。

いよいよだと周りの侍女達がソワソワと忙しくなる中、至って冷静に夫を待っているかのような素振りをしながら、内心今か今かと侍女達以上に心待ちにする自分が何だか滑稽なように思えたが、仕方ない。

そしてとうとう門が開かれ、豊臣軍の兵が入城する。

秀吉様を先頭に続々と豊臣軍が入城する中、必死に目を凝らして夫の姿を探す……のだが。

豊臣軍の大将である威風堂々とした雰囲気の秀吉様とその御友人でありながら軍師でもあらせられる半兵衛様の後に、夫の友である吉継様と家康様が続いて入城されたが、未だ夫の姿は見えない。


……いつもならば半兵衛様の直ぐ後に続くように入城されるというのに、どうしたと言うのだろうか。

我らが殿である秀吉様を迎える為、周りにいた侍女達は直ぐに宴の準備に取り掛かりに行ってしまったが、夫の姿を見るまではと、その場に残って目を凝らす。

夫が他の人より変わった容姿をしていることも理由の一つだが、何よりも己の“夫”であるその人を、見逃す筈がない。



まさか、と不安が胸を過る中、その時は訪れた。



兵の最後に、待ちに待ったその人が馬に乗って入城した。

そして何かを探すように辺りを見渡し、私を見て馬を止めて降りるのと、私がその人へ駆け寄るのはほぼ同時だった。

その人は鎧や戦装束が所々汚れていたけれど、私を出迎えるように微かに腕を広げてくれたから、汚れや周りの目も気にせず腕の中へ飛び込む。

途端に抱き締めてくれたその人に、その温もりに嬉しさから涙を溢せば、彼の人はひっそりと微かに笑んで、私に口付けた。








お帰りなさい!








(お帰りなさいませ、三成様) (……あぁ、今戻った)



――――――――――――



甘を目指したつもりが微甘ですらないという。


こんなので宜しければ受け取ってやってください緋珱様(スラ イディング土下座)!!














――――――――――――…
いただいてしまったぁあああああぁぁあ!!!!!!(^q^)
勝手に更新をサボってたこの緋珱めをおかえりと暖かく迎え入れた上にそれを表現するすんばらしぃいい作品を!!!!!いただいてしまった!!!!!しかも早い!!!!!!

君の連想力と想像力と文章力には半年という年月を経ても感動と敬意ともろもろの言葉にできぬ感情を与えられるよハニー(*´ー`*)


ほんっっとーに!ありがとうございました!
これからまた気長にお付き合いくださいね!


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