頂きもの | ナノ


ヤマさんからの頂きもの





――私には、幼馴染みが二人いる。


どちらも赤ちゃんの頃からの付き合いで、ご近所同士、親が親友同士ともあって、本当に小さい時からそれぞれの家に入り浸ったり、泊まったり、ご飯を食べていったりと、「遠慮?何それ食べられるの?」と言えるような、家族と言っても過言ではない程の関係だった。


そんな幼馴染みの一人は、銀髪金眼の鳥の嘴のような前髪が特徴的な、儚い系超美人の石田三成という少年。

もう一人は、包帯で浅黒い肌を所々を隠した、白黒反転した眼が特徴的な知的系美人の虚弱体質の大谷吉継という少年。


どちらも一癖二癖もある変わった――否、三成に関しては、あれはただ人一倍純情すぎるだけか、うん……と、とにかく、そこら辺にいる同い年の少年達と比べれば、かなり変わった人である。





「おい旭、起きろ!」

早朝の微睡みの中、突然そんな大声が鼓膜をビリビリと叩き、私がくるまっていた布団を剥ぎ取られた。

寒い朝の空気に微睡みは遠い彼方へ旅立ってしまい、渋々と上半身を布団から起こすと、寝惚け眼であろう自分の目を手で擦りながら、隣で仁王立ちする幼馴染みを見上げた。

「何だよみっちゃん、まだ6時じゃないか。もうちょっと寝かせてよ」

「誰がみっちゃんだ!私の部屋で6時を過ぎてから起きることと二度寝は許さない」

フン、と鼻を鳴らして見下ろしてくる彼を睨み付け、隣のベッドで未だ眠りについたままのもう一人の幼馴染みを指差した。

「でもまだ吉継起こしてないじゃん」

私だけ起こされるのは不平等だと文句を言えば、彼は黙れと頭を叩いてきた……幼馴染みだからとは言え、これはあんまりだ。

「刑部、起きろ。朝だ」

私の時とは全く正反対に、酷く優しい手付きでベッドの上の吉継の体を揺すり、至って普通の大きさの声でそう声を掛けた三成。

「みっちゃん、私の時と態度が180度違うんですけど」

「黙れ、刑部は体が弱いのだ。こうしなければ体に響く。後、その巫山戯た呼び名を止めなければ旭だけ朝御飯抜きにするぞ」

「そんな御無体な……!それだけはお止めくだせぇお代官様!」

「朝御飯抜きだ。拒否は認めない」

「わぁ冗談だってぇぇえええっ!!」

三成の細い腰にすがり付いてそう叫べば、ベッドからむくりと吉継が上半身を起こした。

今にも閉じてしまいそうなゆっくりとした瞬きをした後、白黒反転した寝惚け眼が虚空を見つめ、その後、三成と私を捉える。

「……主らの声はよく頭に響く……もうちと声のボリュームを下げてはくれまいか」

今にもまたベッドにリバースして眠ってしまいそうな吉継は欠伸混じりにそう言った。

そんな彼の寝癖だらけの髪を梳きながら、私は笑った。

「おそよう吉継!今日も吉継がビリだから、罰として朝の吉継のデザートは頂いたっ!」

「ヒヒッ!それは困るなァ旭よ……我も三成手製のプリンを食べたい故」

「安心しろ刑部、今日のおやつに貴様の分だけプリンアラモードを作る予定だ」

「それズルっ!!?何そのエコ贔屓!?私も欲しいです神様仏様三成様!」

「その場で三回回って私と刑部に土下座してワンと鳴き、刑部の朝のデザートを食わないと誓うのであれば、貴様のおやつもプリンアラモードにしてやる」

「おっけーやってやんぜぇ見てな私の華麗なターンっ!!」

「……旭よ。主に自尊心は無いのか」

早速その場で三回回った私に、吉継が惨めな物を見る目で私を見ながらそう言ったので、私は迷わず即答した。

「三成手作りのプリンアラモードを越える美味しいおやつを知らない私に、プライドなんてあるはずないだろ!」

そうして刑部に土下座し、三成に土下座しながらワンと吠えたら三成に背中を足蹴にされた――何故じゃ。





仲良し三人組















――――――――――――…
見よ!!!また頂いてしまったぞぐへへへ…
本当にいつもいつも何から何まで…俺は一体どうすればこの感謝を伝え切れるのか、否!!そのような言葉などこの世に存在しないいいいぃぃ!!!

ホントにホントにっ、ありがとねハニイイィィイイイ!!!とこの場を借りて感謝の言葉をば…。


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