Novalis | ナノ


帰した





「まずい」
「……(ピキッ)」



起きたお兄さんにお粥を作って差し出したら言われた。
なんだってんだ文句あんならそのまま野垂れ死ねぇえええええぇぇぇええええええ!!!!!

とは言えず、



「す、すみません…お粥は作り慣れてないもので…」

「……」

「無理でしたらそのままお薬をお飲み――…」

「誰が食わんと言った」



…どっちだよ。と思う反面なんだかんだ食べてくれるんですねッと感動する自分がいて嫌になった。
そのあとは特に何を言うでもなく平らげ(これには感動した)、薬を渡せば眉間にしわをものすっごく寄せられた。お薬は嫌いですか、お兄さん。



「わがまま言ってちゃいつまでも帰れませんよ」



終わったら家まで送りますからねーと言い置いて着替えを持って脱衣所に行く。着替えなきゃ。
さっさと終わらせて戻れば死んだ顔でそこにいるお兄さん。



「ああ…薬は飲んでくれたんですね、いい子いい子って…どうかしましたか…?」

「………」

「……?」



よしよしと頭を撫でてやれば目を見開いてこちらを見つめてくるものだから何事かと首を傾げ……て気づいた。



「うわぁああああぁぁああすすす、っすみません!!」

「うるさい!!!!!」



つい妹にやる時と同じ感覚で、え、あ…なななな撫でてしまった意外にサラサラでさらに動揺がががががってあー…病み上がりってかまだ病中なのに大声なんか出すから頭に響くんでしょうがって私のせいなんだけど。もう謝ったからもう謝らない。

高校時代はバスケをしていた。バスケの子は不思議と緩めの服が多い。動きやすいからってだけだけど。あとはまだ身長と筋力が伸びるッその時のために緩めをとか淡い期待とかもあって。伸びなかったけど。
その名残でクローゼットにあったゆるいパーカーをお兄さんに着るように言えば何か反応するのが面倒なのか何も言わず着てくれた。

さぁ、帰るぞお兄さん!!あなたのおうちはどこですか。










おうちは遠くも近くもないところで、家の人に謝りに行こうとしたらいいと言われたからそのまま別れを告げた。

お兄さんとは、また会えそうな気がする…




(三成?三成か!どこに行っておったのだぬしは)
(刑部…)
(ぬしが外泊など珍しいこともあるものよ、やれ風邪か?カゼか?)
(刑部、あつい…熱い、)
(やはり風邪――…)
(あつい…あ、つい……)
(三成…?三成、これ三成!!)

((この、痛みはなんだ…))










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