。。
「………超痛い…」
長曾我部の甲斐甲斐しい手当もあってか奴は目を覚ました。
第一声があれだ。
長曾我部何やら謝っているが何を謝ることがあるのか。
「おい、貴様」
ビクッと肩を小さく震わす。
傷を負わせた事によって私に怯えてるのか。ふん、いいざまだ。
「貴様、なぜ私たちを拐った。」
「っ…あの、」
「なんださっさと答えろ!!!」
「石田。落ち着けよ、怖がっちまってるだろう?」
鬱陶しい。
なぜそうも私の行動を制限する。
思いながら睨むが無視…
…いい度胸だ…
「なぁ、ここはどこだ…?見た事ねぇもんばっかだしよォ…」
「あの…ここ家です。自分が住んでる家…」
「貴様ァ!!!なぜ私たちを貴様なんぞの家に連れてきたァアア!!!」
「ッ、」
オイ、とまた制止の声がかかる。
知ったことか!!!なぜ貴様は聞いているのに私は聞いてはならないのだ!!!
「答えろ!!!」
下唇噛んで下を向く。
それでは答えられないだろう!!
ええい早く答えろと胸ぐらを掴もうとしたら長曾我部に引っ張られた。
貴様!どこまでも私の邪魔をする気か!!!
「よぉ、…なんで、俺たちがお前の家に居るんだ…?」
「え…そんなこと知らんし…。強盗に来たんじゃないんですか?」
「貴様アアァァ!!!!私がそのような下賤な輩に見えるのかあああぁあ!!!!」
私はそこまで落ちぶれていないぞ!!!!
しかもなぜ私の問いには答えないくせに長曾我部の問いには答えるのか!!!!
納得いかん!
「落ち着けって。あのよ、俺たち物取りじゃねぇんだ。これでも一国の主でな、ついさっきまで戦して…そうだ、そうだぜ、なんで俺たちがここにいんだ」
…貴様、私を制しておきながら言っていることがめちゃくちゃだぞ。
見ろ、ソイツも動揺を隠しきれないで居る。
自分の方がうまく聞き出せるなどと思っている時点で貴様は終わっている。
「自分は久々の休みで、これから出かけようとしただけで、それまでは大学詰めで、あなた方のことは知りませんし、なん…なんで家に入ってこられ…」
「うるさい黙れそれ以上馬鹿なことを抜かすな!!!」
ごちゃごちゃとわけの分からん事をほざく奴の首元に再び刀を向ける。
途端にピシリと固まる。
面倒だ。なぜとっとと答えないイイイィイイイ!!!
石田。
…いい加減この男の声はもう聞きたくない。何度目の制止か名を呼ぶだけで続きの言葉はもう口にしない。
…もういい、すきにしろ…
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