。
「嘘だろ!!!!おいっ、しっかりしろッ…おい!!!!」
目の前で血を流す奴に向かって叫び続ける西海の鬼を見る。
…なぜそんなに必死になっている。
コイツが死んだところで何かあるわけではないだろう。むしろ好都合だ。
そもそも大の男6人、しかも一国を担う私たちを、こんなひょろいのが拐えるわけがないだろう。必ず仲間がいるはずだ。
話ならそこから聞けばいい。
つまりこいつが死んだところであとの手間が省けるだけということだ。
「起きろって…っ、こんなところで死んでる場合かよ!!!」
何を言っている…。
わけがわからない。何故だ、何故そんなに必死になっている。
そんなに起きて欲しいなら肩でも揺すればいいのになぜ…しないのか、
そうか、揺すったら首の傷口から今以上の血が出ることを恐れているのか。
どちらにせよコイツはもうそんなに長くないだろう。
床に広がる紅がそれを物語っている。
貴様、たかが1つの死に…それも赤の他人の死にそんなに取り乱している。少しは毛利の冷酷さを分けてもらえ。
「おい!!こんのっ、今すぐ起きねぇと食っちまうぞ!!!!おいっ!!」
その声に応えることなく、時間と比例するように白さを増す顔色、大きくなる長曾我部の声。
食うってなんだ
"全く違う"
そう思っているのに、まるでいつぞやの自分の様だと、そんな馬鹿なことを思う己がいた
GAME OVER
なんてことになったりはしない。
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