1-B1
ねっむーい…超眠い。
外出る気分でもないし、お腹空いてるわけでもないし、何かしたいわけでも、しなきゃいけないことがあるわけでもないし…寝るに限る。
これでもぴちぴちの18歳だというのにデートとかそういう浮ついた話が全くないのが悲しい。なんだこれ。
ガシガシと頭を掻きながら欠伸を噛み殺す事無くだらだらと階段を上って自室へ向かう。
やばい、寝てもいいんだよーとか自分に言ってしまうとすっごい眠気が襲ってくる。
眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い。超眠い。
「やばい眠い」
到着…やった…寝れる……
「しかしここはどこなのでござろうか」
「われにも頓と分からぬ。ワカラヌなァ…」
「……」
「ヤレ、来やったか…」
相当眠気が来ているようだね…。
一度開けた扉を閉めてゆっくり深呼吸をする。なんか浮いてた気ィする…
いや、幻覚を見るほど疲れが溜まってたみたいだ…しかも変なのを。
大丈夫だよ、自分。これからするのは心身ともに休ませることで決して酷使するわけじゃないから。ね?ね?
意を決してもう一度扉を開ける。
「ヤレ娘、何故一度開けたものを閉めやった」
「ギャアアァァアアアァァアァアアアアアア!!!!!」
なんっこれええええぇえぇぇええええええええ!!!!!!
うっふうええええぇぇぇええっ、なんこいつなんこいつなんこいつううううぅぅうう!!?
「うぐ…ッ、」
「…俺の身を拐うなど、よほど散り果てたいと見える」
いつの間に!!なんで自分の上にっ、え、なんで組み敷かれてんだ!?
気づけば自分は横になっていて、その身の上に紅を纏ったジャニーズ風のイケメンが…マジでイケメンだ…
そのまま自分の上にまたがった状態でぐっと喉を絞める手に力を入れられる。
痛みで咳き込むことも、声を出して意思を訴えることも許さないかのように食い込んでくる指。
さらりと、後ろで束ねられた彼の茶髪が垂れてきて頬を掠める。
くすぐったい…。綺麗な茶髪だ…、瞳と同じ色の…。
…ああ…うっすら笑みを浮かべている。なんだか楽しそうにも見える…。
けど彼に苛虐趣味があったところで自分にはそれに応えられるような悪趣味は持ち合わせていないんだ、残念ながら…
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