【…じゃあそう言う事で、お願いしまさァ】


『…うん!頑張ってみるよ』



………ブチ



『……。』



た、大変な事になってしまった…!!
どうしよう……ってか、何でこうなったの???







『…やばッ、もうこんな時間に…!!』



早くしないと明日に間に合わない…!!

電話を切って暫く放心状態で、気付くとあれから30分も過ぎていた



いや、でも今作っても意味無い……とりあえず下拵えだけでも…


出来るだけ早起きして、気合い入れて作ろう…!!
戦場に向かう覚悟で布団に入った






『ああああ葵ィィイ!!!』


「……なに?」


『………った…』


「ん?」


『沖……の、べ…と…を……った』


「は?」





はっきり喋れと目で訴える



『…お、沖田君の、お弁当を…つ、作る事に…なった。』



「……ほぉ、」


『昨日さ、電話してたら今日からお姉さんが出張でお弁当が作れないて話になって…』


「あんたが作る事になったと、」


『うん』


「へー」


「それで、作ってきたの?」


『うん、好きなおかずとか色々聞いて、…昨日から下拵えして頑張りました!』



「すっかり彼女ポジじゃん」


『んなッ!?』



『イヤイヤイヤイヤ…!?全然ソンナンジャ…テカ、アリエナイヨ!?』


「読みにくいわ」



『ゴホン、…それで葵にお願いがあって』


「いってらっしゃい」





『お願いしますゥゥウ!!お弁当渡しに行くの着いて来て下さァァアい!!!』



それに、告白したクセに今更何言ってんだと言う思いを込めて笑顔で言った



「いってらっしゃい」


『……。』


途中で振り返ったから、fight!と発音良く言って送り出した







『……葵ィ…』


「おかえりー、…どしたの?」


『…どうしよ』


「?」





「…お弁当渡せなかった?」


『いや、珍しく素晴らしいくらいにスムーズに渡せた…私スゴくね?』



「良かったじゃん…んで、どうしたの?」


『それが…困った事になってしまって……』


「…?」





『今日、お昼を一緒に食べる事になってしまった……。』


「……?」



シーーーン…






「え?沖田君とお昼食べる約束したって事…だよね?」


『イェス』


「へー」




『どうしたら良いと思うッ!?』


「?…行けば良い、んじゃない?」


『……いや、そうじゃ無くて、』



「私の事を気にしてくれてるなら、別に平気だよ?」


『それもあるけど…』


「?」




『…一緒なの』


「なにが?」



『お、沖田君と…お弁当の、中身が……。』


「…ほぅ…。」



「別にアンタが作ったんだから変じゃ無いでしょ……あ、」





「(ニヤリ…)。」


『…葵?』








「……。」


『……。』


「ささ、食べよっか!」



昼休み、屋上でお弁当を広げて言う



『…何でこうなった』



「沖田君と2人だと緊張したんでしょ?私が居たらまだ和らぐかと思って」


『…葵…!!』



沖田君に聞こえない様にそっと話す



「なァ、アンタ誰?」



「いつも一緒にお昼食べてる者ですゥ…ごめんねェ、せっかく2人でお昼の約束してたのに」


「………別に」


『…あ、葵?』


「ん?」


『…な、なんでも無いです!』




『……ッ…!』





「…?どうしたんでィ?」


「…いや、その…ッ…………あッ!!私飲み物買って来るねッ!!」



「え、ちょっと…」


『じゃ!!』














「……なにしてんの?」


『…いや、その……あはは』




扉を開けると目の前に突っ立っているのを見つけた

しかもジュース持ってないし、本当に何やってんだコイツは




「……はぁ、」


『えッ!?…ちょっ…!?』





「じゃッ!fightー!!」


『ちょっ…えェェエ!!?』









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