元親を愛そうとするといつも上手くいかなかった。 元親、と後ろから抱きしめても痛がるし、首に口吻けても痛がるし、唇に噛み付いてももちろん、痛がる。痛がりの元親は痛がったら止めてくれるとでも思っているのか、大袈裟に痛がる。 だからふと考えて、ソファにもたれる元親に抱きついたついでに、あいしておる、と耳に吹き込んでみたが、しかし、一瞬死んだように硬直して、すげー痛い、と呟いた。 「痛がりめ」 「…今のは精神的に」 「元親、」 「誘ったって乗んねェよ」 「当たり前だ。我が乗るのだ」 「体位の話じゃねェ」 |