あまりのことに涙が零れた。
ああ、ああ、止まらない止まらない。
ぼろぼろと、がくがくと、どくどくと、体中が盛大に活動する。歓喜する。
どうか永久に止まらないでほしい。明けも暮れもせぬ無色に二人で沈み、血を飲み首を跳ね殺し合っていたい。

「何泣いてんだ真田幸村。今日がラストダンスってわけじゃねェだろ」
「まさむねどの、」
「やりにくいだろーが。さっさと拭きな」
「それがし…それ、がし、」

あう、う、と鳴咽が喉から溢れる。
止まらない止まらない止まらないでほしい止まることなどあってはならない。
伊達政宗と真田幸村を構成するすべての物質に告げる。
互いの存在理由を互いの存在で埋め尽くせ。安息も要らぬ。生死は問わぬ。永久に成れ。隙間など許さぬ。密と化せ。
それができぬなら某は貴方を喰ろうてひとつとなりまする。





 羊
 水










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