永遠ならすぐに誓える。
クローンなんだから。

「まやかしだわ」
「そうか」
「だって、それはオリジナルのクローンであって私じゃないもの」
「ああ、ならばつまり、クローンのクローンなら君だろう?」
「違うわ」

泣きそうな声でナイチンゲールは訴える。というか、泣いている。大きな瞳から大粒のしずくが落ちる。ぽたり。胸の脂肪で膨らんだ制服を濡らす。

「違うの。それは私のクローンよ。やっぱり私じゃない」
「はいはい、そうだな。君じゃない」

ふう、と息をついて頭を撫でてやる。まったく、女子には安易に愛の言葉を言うものじゃない。なぜ僕は後世にそんな大事なことを残さなかったのだろう。あいつ馬鹿じゃないのか。そうか、なるほど、僕は馬鹿だった。

「とりあえずナイチンゲール。泣くなら僕の胸で泣いてくれ。でないと君を押し倒してそこにいろいろ挟みそうだ」
「フロイト…」

の、そういうところが嫌い!と平手打ちが右頬に直撃した。おかしい。オリジナルはそんな目に遭ったなんて一言も書き残していないのに。
ぼろぼろに泣きながら走っていったナイチンゲールを追い掛けようとしたが、下半身の処理が先だな、と冷静に判断しながら、彼女の涙の筋をもう一度頭の中でたどった。あぁ僕もいっそ彼女のきれいな涙になって胸の谷間に落ちてみたい、それが叶うなら僕には永遠なんてどうでもいい。
ふむ、それがつまりリビドーって奴なんだろうね、僕。









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