剥き出しの腕に寝転がるとぺたりと肌が触れ合って、こんなに涼しそうな顔をしている彼でも汗はかいているのだな、と、沸点に近い頭が感動した。生きていた。真っすぐに。私と彼は地球という星でゆっくりとゆっくりと生きていて、隣で微笑む罪悪感が胸にずしりと重いまま、見えない速度で回る。 「ヅラの腕は好きネ」 「腕だけか、腕限定なのか」 「冷たいのに生きてる」 俯せでその冷ややかな腕に唇を寄せてみる。着物で隠し通してきた腕は白くてがまがましい。縫い散らかされた無数の傷は、きっと彼の心を過去に縫い留めているのだろう。永久に。その過去に私はいなかった。 「生きることしかできん腕だ」 「それで十分ネ」 彼は、重い、と傍で目を伏せる。ごめんアル、と転がって離れれば、指先がかすかに私の髪に触れて、思わず掴んでしまいそうになった。 「だから生きてヨ」 |