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一体、どれだけの道を走り続けただろうか。
光の門、其処に辿り着いたとしても、この闇の世界から脱け出せる確率は0%に近い…
そろそろむこうでは3日たった頃か…
と言うことは嵐に雨、今日が霧か…
ギリリ…
手を強く握った。
血が手から流れ落ちる。
『クソッ…間に合わない…』
何とか雲戦までに光の門につきたい。
ついたとしても、通れる確率は僅か…
でも、今はそれにすがるしかない…!
もし、このまま帰れなくなったら…
もう、皆に会えない…
勿論、ツナにも…
ズキリ
『…?』
俺は胸の痛みと共に違和感を覚えた。
なぜ、今ツナの顔が頭を過る?
確か前にも、こんなような事があった。
他の誰かとは違う、この気持ちは…
恋、なのか…?
そう考えると、不謹慎ながらも頬が赤く染まった。
こんなときに何を考えているんだ、俺は。
首を2、3回横に振り気を取り直した。
ピクリ…
俺は、美咲の神気がはなたれるのを感じた。
『まさか…』
そう思った瞬間、
辺りに声が響いた。
とても聞き覚えのある、3日ぶりの
…愛しい人の、声が
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