凍結小説 | ナノ

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海Side〜

大人気ない、そう自分を嘲笑った。

闇の女王-オプスキュリア-が復活し、雪華が闇の世界-ノワール-に連れていかれたと分かった時、我を失った。


里奈と美咲の弱気な態度に苛つきが最高潮に達し、怒鳴り付けてしまった。


でもよく考えれば、例え前世の記憶と使命を受け継いでいても、あいつらはまだ14年しか生きていない、子供なのだ。


ついこの間記憶を取り戻したばっかりじゃないか。(強制的だったが)


そんな餓鬼に、自分は怒鳴り付けてしまった。

海「チッ…髪から神気を放つ…か。


せっかく髪、伸ばし始めたのに、
また断つのか…」


俺は「長い髪が好きだ」そう言った、自身が既に長い髪をもつ、妹のような奴を思い描いた。


始めて俺に手を差し出してくれた―

その雪華の回りにいま、死の危険が渦巻いている。


自分は雪華に助けられてばかりで、何時も幼稚なイタズラをしていた。


俺には何が出来る?
いや、


俺ハナニガシタイ?



ガチャリ、


そのドアが開く音で、俺は意識を戻した。

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