55
海Side〜
大人気ない、そう自分を嘲笑った。
闇の女王-オプスキュリア-が復活し、雪華が闇の世界-ノワール-に連れていかれたと分かった時、我を失った。
里奈と美咲の弱気な態度に苛つきが最高潮に達し、怒鳴り付けてしまった。
でもよく考えれば、例え前世の記憶と使命を受け継いでいても、あいつらはまだ14年しか生きていない、子供なのだ。
ついこの間記憶を取り戻したばっかりじゃないか。(強制的だったが)
そんな餓鬼に、自分は怒鳴り付けてしまった。
海「チッ…髪から神気を放つ…か。
せっかく髪、伸ばし始めたのに、
また断つのか…」
俺は「長い髪が好きだ」そう言った、自身が既に長い髪をもつ、妹のような奴を思い描いた。
始めて俺に手を差し出してくれた―
その雪華の回りにいま、死の危険が渦巻いている。
自分は雪華に助けられてばかりで、何時も幼稚なイタズラをしていた。
俺には何が出来る?
いや、
俺ハナニガシタイ?
ガチャリ、
そのドアが開く音で、俺は意識を戻した。
← | →