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「藤本神父、隊員が御神体と思われるものを発見したとの報告が入りました。」
へええ、ほんとにあったんだなあ、
藤本は思わずそう呟いた。
「じゃあとりあえず、御神体の引き上げだが…なんとかなりそうか?」
藤本は隊員の一人に問う。
「はい、手騎士の使い魔によって引き上げられております!」
「そうか。なら何も問題ないな。」
「聖騎士!!御神体が上がりました!」
女の隊員が藤本に報告する。
「こちらです。」
藤本が上がったものをみた。
「こいつか…」
それは白く薄い膜の張った大きな塊。
かすかに光を放っており、御神体ではないにせよ、なにか神聖な力がある、と凡人でも分かる程だった。
「とりあえずメフィストの奴に報告すっから適当な処理をしてそいつを運ぶこと。終わったら待機しといてくれ。」
「はい!!」
一斉に隊員が声をそろえて返事をした。
敬礼をする姿をみて、ここは軍隊か、と一瞬脳裏をよぎったが、どうでもいいことなのですぐに頭から消した。
藤本は手馴れた動作で鍵を取り出した。