夢を見た。









まばゆい光の中に、一人の天使がいて、



悲しそうな瞳で私を見つめていた。







天使が助けを乞うような瞳で?ついてきて?と促すので、戸惑うまま天使に導かれ、進んだ先には……











暗闇の中でチャールズが佇んでいた。










後ろ姿だったため彼の表情は分からないが、
よく見ると彼の手にするレイピアには大量の血が滴っていた。










「チャールズ……っ!」











彼に手を伸ばそうとするが手を伸ばせば伸ばすほど、彼が遠退いていく。







もどかしい。








気付くと傍にいたはずの天使は消えていた。










「チャー……っ」











──────……
















『名前、起きて』






ハッ!と目を覚ますと、目の前には端正なチャールズの顔があった。









『君、最近ちょっと寝すぎなんじゃない?』







いきなり現実に戻され、朦朧とした頭の中で一つの疑問が浮かびあがった。








(……今の夢は何だったの?)











『ほら、もう着いたよ』






そんな妻の心境も知らずに、彼はさっさと馬車を降りる。






今日はオックスフォード伯という人にチャールズと共に夜会に招待されていた。









もちらんオックスフォード伯なんて名前は一切 面識がないが彼曰く、そういうことは?よくあること?らしい。







ここのところ夜会ばかりでうんざりしていたが、
サラと公爵も今晩の夜会に参加するということを聞き、結局 名前も参加することになった。




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