ザァァァ...
先程から雨が降り止まない。
チャールズを乗せた馬車は無事に着いてるだろうか?
事故とかに遭ってなければいいが……
「……って、これじゃチャールズのことが好きみたいじゃない!」
時計を見れば時刻は、深夜2:00
それなのに、さっきからなかなか寝付けない。
認めたくはないが、さっきからチャールズのことばかり考えてる。
一般的に考えたら夫の安否を心配するのは当然かもしれないが、私の場合は政略結婚。
チャールズに対して 愛も何もない。
それは彼も然り。
(けど、これじゃあ私だけ彼に片想いしてるみたいじゃない……)
枕に顔をうずめるとほんのりチャールズの匂いがした。
それが余計に愛しさを煽る。
(早く……帰ってきて)
あの我儘な声が聞きたい。
その鈍く銀色に輝く髪に触れたい。
私の全てを奪っていくような激しいキスも……今なら恋しいかも。
名前は寂しさを埋めるように自分の体をギュッと抱き締めた。
なんでもいいから
会いたい……
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