それは、つい2日前の事……。










***











「うわぁ〜


ここがロンドンかぁ」















鉄道と馬車を乗り継いで、約2日かけてやって来た英国の首都 ロンドン。













お迎えの馬車の窓から都会独特のロンドンの町並みを眺めながら、感嘆の声をあげていた。













私はロンドンから遠くはなれた英国でもかなり田舎の地方で暮らしていた。









家柄は一応、貴族だったけど別段 裕福というワケでも貧乏というワケでもなく、両親と平和に慎ましく暮らしていた。



















そんな私にも、生まれながらに許婚がいた。



相手の名前はチャールズ・グレイ伯爵。


















グレイ家と言えば田舎者の私でも知ってるくらいの名家で、
確か この人のお祖父さんにあたる第2代伯はこの国の首相だった人だ。

















そんな名門貴族の家に何故か私は生まれた時から嫁ぐことが決まっていた。





















「チャールズ・グレイさん……


一体、どんな人なんだろう?」














(優しい人だったらいいな……)

















まだ見ぬ婚約者に思いを馳せながら、名前を乗せた馬車はゆっくりとグレイ邸に向かっていた。






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